むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 気分とは不思議なもの

    気分がいいとか悪いとか言いますが、気分は本当に不思議なものです。さっきまで気分良く仕事していても、ちょっと上司に呼ばれて小言を言われると一気に気分は沈みます。その後5分で復活する人もいれば、翌日まで持ち越す人もいます。5分で復活する人は羨ましいですが、上司からは反省がないと評価されて結果的にはいいことはないかもしれません。何日も沈んでしまうのもどうかと思います。そのように何日も気分が沈んでしまうと、自力では立ち直れなくなる場合が結構あります。そして、そのきっかけとなった上司のこと、同僚のこと、職場のことが苦手になり、近づくだけでドキドキしたり頭痛がしたり、息苦しくなったりします。

    このような気分を治療するためには、薬物療法やカウンセリングがあります。当院ではやっていませんが、認知行動療法といって、苦手な状況を克服する方法もあります。これは、それなりにノウハウと努力が必要です。一方、薬物療法では不安を治療する薬剤の歴史は古く、いろんな治療薬が存在します。

    しかし、気分が沈んだり、ドキドキしたりするのを安定剤だけに頼ってはいけません。安定剤は不思議なもので、飲めば気分がすっと落ち着くので治ったような気がしますが、数時間で効果が切れるとまた不安が増してきます。薬がやめられなくなるのです。最初は仕方ありませんが、長期的にはできるだけ安定剤に頼らない治療をするよう当院では心がけています。