むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 疲れについて

    当院は心療内科を標榜しているため、来院された理由(主訴)に、全身倦怠、疲労感、食欲不振などが多いです。こういう訴えで通常の内科を受診したとすると、採血して胃カメラを勧められて、検査の結果特に異常ありませんでした、ということで治療はせずに終了となりがちです。そうすると、検査はしたものの何も改善せずにさて困った、ということになります。

    漢方では、全身倦怠や食欲不振は気血水のバランスから幾つかのパタンに分けて考えます。ひとつは「気虚」つまり、気の不足によって元気が出ないものです。気が不足するのにも理由が考えられますが、胃腸虚弱で食べても身につかない場合や、住んでいる環境が大気汚染その他で問題ある場合です。極端なダイエットや偏食も問題になります。

    次に、「気滞」、つまり気の巡りが悪くなった場合です。気の巡りが悪くなるのは大抵ストレスですが、原因がよくわからないうつ状態もこれに当たります。この場合、採血などいろいろな検査をしても、ほとんど何も引っかかりません。気の巡りは不思議なものでちょっとしたことで悪くなります。上司や姑さんに怒られたとか、アパートの上の階に足音のうるさい人が住んでいるとか、例をあげればきりがありません。

    次に「血虚」です。血の不足は貧血と似ていますが、それだけではありません。慢性疾患や大きな病気、手術の後などで見られます。また多くの女性は血虚になりやすい体質を持っています。

    最後に「水滞」です。水が体の中で過剰になると、体が重だるくなり、頭痛やめまいを伴います。足がむくんだり、吐き気がしたり、いろんな症状が出てきます。

    おまけですが、あとは、遊びすぎ、睡眠不足、暴飲暴食なども疲労倦怠、食欲不振の原因となります。これに関してはみなさん経験あるでしょうから、詳しい説明は不要と思います。

    食べるものには困らない現代でも栄養不足というものがあります。ビタミンや食物繊維などです。野菜も水栽培で作る時代ですから、栄養がちゃんと入っているかは疑問です。インスタント食品などはカロリーはあっても栄養はないという、問題の食べ物です。逆に、消化する過程で大量のビタミンを消費してしまうものもあります。

    したがって、倦怠感の強い人には抗鬱剤のような薬が必要だったり、朝鮮人参が必要だったりします。私の外来でも、患者さんごとに気血の不足か気の滞りか、水の過剰かを判断しながら、処方します。東洋医学の知識と経験はこのように西洋医学ではうまく治せない症状を理論的に治療できる場合があるのです。thumb_img_0701_1024

    昨日のブログで広木公園のチアリーディングを出しましたが、同じ場所でフリーマーケットをやっていました。