むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • レセプト

    クリニックがオープンして1か月が経ちました。9月分の診療報酬(レセプト)を請求する時期になりました。私にとっては初めてのレセです。

    今までも、レセプトのチェックは山のようにあったのですが、雇われの身だったためあっという間にチェックをしていました。大体、仕事を後に回すのが嫌いな性格なので、目の前に点検用のレセがドンと置かれると、どうしても一気に片付けないと気が済まないのです。

    今回、クリニックがオープンして初めてのレセプトですから、そんなに早いスピードでチェックできません。なぜなら、レセを作っているレセコン(レセプト用のコンピュータ)が今までとは違うし、それを扱っている医療事務の人が違う。そして、病院とクリニックでは診療報酬の仕組みが違う。そういうわけで、診療報酬の点数本を片手に、それから薬剤の適応病名が書いてある本をもう片手に持ちながら、ひとつひとつチェックしていきます。見ていると色々疑問が出てきます。なぜこちらは長期処方加算が取れるのに、もう片方では取れないのか、などなど。ひとつひとつ解釈本を調べながら進めていきます。

    途中で集中力が途絶えてきたので、クリニックの庭に水をやったり草を取ったりして気分転換。そしてまた残りのセレプトに目を通します。見ているうちに、だんだんパタンがつかめてきます。初診の患者さんで検査なしで院外処方箋だけならこういう感じとか、大体の流れが見えてきます。それがつかめるとあとはスピードアップです。問題は、保険の審査が病院では通してくれていたのにクリニックだと通してくれないような微妙な案件がありますから、それだけは慎重にしないといけません。

    患者さんはクリニックの窓口で自己負担分の1割から3割を支払っていますが、残り7割から9割を国に払ってもらわないと、私たちの仕事は成り立ちません。職員の給料も、点滴などの医薬品も、全部自腹で立て替えていますから、レセプトで請求した額を国に振り込んでもらわないと資金繰りが困難になります。通常の商売とは異なり、医療の価格は国が統制しており、自分で値段をつけたりすることはできません。しかも、その価格が年々下げられています。高齢者が増えて、国家予算に対する医療費の占める割合が増えるのは当然のことです。しかし、国の財政はピンチですから、高齢者の増加に見合うだけの医療費(公定価格)とはならず、厳しくなる一方です。この先日本はどうなっていくのでしょうか。

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    蒸し暑い中、下江津湖をランニングしていたら広木公園でチアリーディングをやっていました。東海大学の学生さんだそうです。