むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 口内炎の治し方

    久しぶりに口内炎ができました。以前はちょくちょく口内炎ができて困っていましたが、最近は滅多に出なくなりました。久しぶりです。

    口内炎ができると、食べ物がしみて食べられなかったり、熱い飲み物が飲めなかったり、話をする時に口がまめらなかったりと、結構不自由します。研修医の頃は、胃カメラで喉に使う局所麻酔のスプレーを口内炎に塗ってご飯を食べてみたことがあります。するとどうでしょう。痛みは和らぐのですが、麻酔を塗ったあたり全体があごまで麻痺してボワーーンとした感じになり、食事はできてもひどく違和感があります。ちょうど歯医者さんで抜歯をする際に歯茎を麻酔してその状態でご飯を食べる感じです。とてもじゃないけど、一回で懲りました。その後、口内炎になるたびに治療法を研究しました。

    西洋医学ではケナログをはじめとするステロイドの口腔用軟膏が最も一般的で、寝る前に塗ると朝にはかなり治っています。しかし、若い頃は一晩で治っていた口内炎も、年を重ねるごとに治りが悪くなってきました。新陳代謝のスピードの問題でしょう。ステロイドは長期間続けると口腔カンジダなどのカビの原因となります。せいぜい5−7日くらいでやめたほうがいいと思います。

    次に考える治療法は漢方です。劇的に効くのは黄連解毒湯という処方です。かなり苦いのですが、その粉(エキス顆粒)を口に含んで口内炎の場所でしばらく舐めた後にゴクンと飲み込みます。すると、あっという間に痛みが和らぐのです。食事前に飲めば、ずいぶん違います。もちろん局所麻酔薬のような変な痺れなどは出ません。口内炎がもし慢性化している場合は、温清飲という処方を用います。大人で粉が飲めないという人はカプセルや錠剤もありますので、そういうのを試せばいいと思います。しかし、この手の漢方は子供には飲ませにくいので、次を考えました。

    実は、黄連解毒等に含まれる抗炎症成分に似た成分はウコンにも含まれています。ウコンと言えば、カレー粉の黄色いスパイスのターメリックです。そこで、唐辛子を抜いた甘口カレーを食べてみます。すると、最初の数口をクリアすれば、口内炎の痛みは劇的に軽減します!カレーの場合、辛い唐辛子成分(カプサイシン)と同時に塩分もしみる元ですので、自宅で作る場合は唐辛子を抜いて、塩気も薄く作るといいです。これはオススメです。小児科の先生に話したら早速試されて、よかったよ、と報告いただきました。口内炎にお困りなら、ぜひ試してみてください。

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    これはヤブランという花みたいです。立田山に自生しているところを撮りました。名前が分からなかったのですが、Googleで「夏の終わりの紫の花」と検索したら、一発でこれが出てきました。Googleはすごいですね。