むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 不休の診療体制とは

    訪問診療に休日はありません。春分の日も予定通り訪問診療に出掛けました。当然ですが、介護施設も休みなんて関係ありませんから、通常通りのみんなが出勤しています。ご苦労さまです。最近は「働き方改革」とか、「過重労働」などが話題ですが、医療介護系はまさに24時間労働を強いられる大変な職場です。厚労省は患者さんの生活の場を病院から家庭へ移そうと必死です。病院の長期滞在が病院の収益を圧迫する仕組みを作り、一日も早く退院させようとします。最近の救急病院では、入院の日に退院の日程を決めたり、退院できない場合は受け入れてくれる転院先を探します。”初日”からそんな具合ですから驚かされます。

    そして、病状が安定していないのに退院させられた結果、患者さんの家族は大変です。慣れない看病で体を壊したり仕事を休まざるをえない状況になります。自分の親でなく、義理の親の看病の場合、言いたいことも言えずにストレスが溜まって体調が悪くなる人もたくさんおられます。また、我々開業医には、そういった家庭にいて通院困難な患者さんを受け入れ、訪問診療などで支えるよう誘導されています。訪問診療、かかりつけ医と言った仕組みに参入すると、24時間、365日患者さんへの責任がありますから休み無しになります。働き方改革を進めている厚労省に我々開業医が逆に不眠不休の体制をとるように誘導されているのはなんとも皮肉なものです。

    ともあれ、当クリニックは在宅支援診療所としての登録を行っており、すでに50人近い在宅患者さんを見ています。おかげで、私は東京や大阪である学会に参加することもできず、専門医を維持することすら困難な状況にあります。