むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 味噌汁の効能

    味噌汁は塩分が高いから控えましょう、などと指導するドクターもいますが、私はそれは半分間違っていると思います。半分ということは、少しは正しいということです。まず、正しい部分ですが、やはり塩分が多いので、高血圧の人が味噌汁を飲みすぎるのはいけません。ここで、味噌汁を「飲む」と書きましたが、飲むのは汁の部分です。特に具が少ないインスタントの味噌汁は良くないです。お湯を注ぐだけで飲めるやつです。あれはインスタントラーメンとなんら変わりありませんから、血圧を気にしているならやめてください。

    では、逆に体にいい味噌汁の話です。

    体にいい味噌汁は昆布と干し椎茸といりこでしっかりダシをとり、具をたっぷり入れたものです。そして、無添加の味噌、出来れば国産の大豆(遺伝子組み換えでない)と麦を使ったものなら言うことありません。

    いりこはご存知カルシウムたっぷりです。干し椎茸にはビタミンDが含まれますから、いりこのカルシウムの吸収を高めてくれます。これさえあれば、牛乳など飲む必要はありません。昆布はもちろんグルタミン酸を多く含むため旨み成分の代表格です。具として入れる白菜もグルタミン酸が豊富ですから、旨みが増します。小松菜には鉄分が豊富で貧血治療になります。芋類には食物繊維が豊富なので便通が良くなりますが、それ以外にもカリウムを多く含んでいます。カリウムは塩分のナトリウムを打ち消してくれる働きがありますので、味噌汁の塩分をある程度まで取らなかったことにしてくれます。また、味噌そのものも大豆や麦から出来ており、カリウムを多く含んでいます。さらに、味噌は発酵食品ですから、酵母も体に良いとされています。

    したがって、体にいい味噌汁というのは、きちんとダシをとり、具沢山の味噌汁ということです。逆に、化学調味料でダシをとり、具が少ない味噌汁は味の付いた塩水を飲んでいるようなものなので、体に良いはずはありません。

    健康には、ちゃんとダシをとった具沢山の味噌汁を1日1杯は食べるようにしたいものです。

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