むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方は気血水バランスの把握を重視

    昔から、藤崎宮のお祭りが終わると朝晩涼しくなると言われていました。しかし、それは私が子供の頃の話で、最近ではいつまでたっても涼しくならず、「温暖化恐るべし」と思っていました。ところが昨日、お祭りが終わった夜は急に涼しくなり、エアコンも入れずに快適に眠ることができました。こんなに急に秋が来るとは予想していませんでした。猛暑もやっと終わりだと思うと嬉しいです。先日、友人が手土産に持ってきてくれた青いみかんの初物を食べると、秋の気分がさらに盛り上がります。私は昔から秋が好きでした。

    今日は秋分の日ですが、私は訪問診療があるため仕事です。クリニックの外来はお休みなので、空いた時間は帳簿付けなど事務作業をする予定ですが、いつも通り昼休み時間に老人ホームを回ります。介護施設は祝日など関係なく年中無休です。介護スタッフの仕事ぶりには本当に頭が下がります。

    このブログでも時々書いていますが、中高生で、朝起きられず学校に遅刻したり、欠席が多くて困っている患者さんが受診されることがあります。それを読んでくださった方の影響もあるのか、県内のあちこちから、ほぼ毎日のように似たような患者さんが訪れます。多くの場合、「起立性調節障害ではないか」と自分で診断をつけて来られますが、実際にはそうではないだろうと思われるお子さんも大勢います。受験のストレスや学校での友人関係の問題など、朝起きたくない、学校に行きたくない理由はさまざまです。親が聞いてもなかなか話してくれない場合もありますし、病院でも詳しく時間をかけて聞くことは難しいため、雰囲気を察して治療法を考えることになります。私としては、あまり診断名にこだわらなくてもよいと思っています。

    診断名は治療方針を決める目安になるので便利な面もありますが、私は漢方を使って治療しているため、診断名がなくても病態がわかれば治療方針を立てることができます。ここで言う病態というのは漢方的なもので、気の不足や気の巡りの悪さ、水の過剰などといったものです。漢方はこうした気・血・水のバランスを診断して治療するので、病名よりも病態を重視するのです。