飛び石連休のシルバーウィークが明けた今日は、朝から晩まですごい混雑でした。訪問診療を合わせると120名を超える患者さんです。目が回るほど忙しい中にも、長年難しい症状に悩まされている新患さんもいらっしゃるので、そういうところはじっくり話を聞いて治療法を考えます。一人ひとりの診察で、それぞれの人生があり、その中の一コマの今があり、そこで私の果たすべき役割を考えさせられます。診察はわずか数分だとしても、患者さんそれぞれの日々の生活を考えると、私に入ってくる情報量は無限に大きなものとなります。
そんなことを考えていたら、ちょうどネットの記事で「現代人の一日に入ってくる情報量は、400年前の人の1年分」と書かれていました。そうか、1年分が一日で入ってきてるんだ、と妙に納得しました。私の場合、毎日100名以上の患者さんと接し、さらにネットやNetflixで情報を得ると、私の受け取る情報量はその5倍程度になるのではないかと思います。だから、肩が凝るだけでなく、頭も疲れるのは当然です。
最近Netflixで見ている韓国ドラマでは、現代のシェフがタイムスリップして数百年前の王様に仕えるストーリーがあります。現代人と昔の人の話す言葉のスピードが違っていて、現代人は何をそんなに急いでいるのかと思うほど早口です。昔の人は言葉を選びながら、丁寧に話をしたり、考え事をしたりしています。現代人と昔の人、どちらがすごいのか考えさせられます。昔の人は思慮深かったようにも感じます。人間の脳は何百年経っても大きく進化していないと思われるので、実際は問題解決の能力に差はないのではないかと思います。
仕事中は「急げ急げ!」という気持ちが強くなりますが、それでもミスを避けるために細心の注意を払わなければなりません。時には、立ち止まって時代劇のようにゆっくり物事を観察して、じっくり考えることも大切だと感じます。
パソコンの計算処理速度を決める要素の一つがクロック数です。つまり、1秒間に何回演算できるかです。現代社会はどんどん速く結果を求めるようになっています。職場でメンタルが不調になった患者さんが復職する際、私はいつも「無理せず、マイペースで働いてください」とアドバイスします。人それぞれ処理できる情報量が違うからです。体調が悪いときは、叱責や発破をかけるのではなく、各々の能力や体調に合わせた働き方を受け入れ、サポートすることが重要だと思います。

HAB@(下通りパルコ跡)のシジャンにて
