むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 医学部から学生実習が来ています

    今週は熊本大学医学部から当院に学生さんが実習に来ています。診察室で私の横に座っていますので、気づかれた方もおられると思います。かわいい女医さんの卵です。これからの将来が楽しみです。当院のホームページをみて「いろんなことを体験できそうだから」と言うことで選んで来ていただきました。

    いよいよ実習も終盤ですが、期待通りだったかどうかは最後に聞こうとおもっています。それにしても、怒涛の一週間でさぞ疲れたことと思います。当院の外来は通常の病院と違って、血圧の薬などを貰いに来る定期の患者さんたちばかりでなく、全く診断のつかない難しい(もちろん教科書のどこを見ても書いてないような)症例がたくさん混在しています。どこに行っても治らなかった漢方希望の方や心療内科の患者さんも多く、家族や仕事の悩みで苦しんでおられる姿を目の当たりにします。昼休みは老人ホームや患者さん宅の訪問診療。それに加えて、近くの老人ホームや調剤薬局の見学や体験実習までしていただきました。検査部門では、心電図、エコー、検尿、インフルエンザの判定などを体験してもらいました。

    実はこのような体験をする機会を提供することはできても、患者さんが多すぎてゆっくり解説する暇が全く取れませんでした。ほとんど現場を見せただけで終わってしまいました。この実習を通して彼女に気づいてほしいことは、基礎医学が臨床にいかに役立つかということです。今勉強している医学の基礎は一生モノです。基礎がなくて治療のノウハウだけ勉強していると、応用がききません。解剖、薬理、生化、病理などしっかり勉強して、その次に広がる内科や外科といった臨床科目の理解を深めてもらいたいと願うばかりです。これは、東京で医学部に通う自分の息子に対しても伝えたいメッセージです。

    JR博多駅

  • 待ち時間が増えてきてすいません

    年末の月曜ということもあり、相当混み合いました。待ち時間が長くなって申し訳ありません。どなたもいろいろと相談事が多く、時間がかかってしまいます。高血圧などシンプルな処方だけでいい場合は長時間お待ちいただくのも申し訳ないので、順番を繰り上げてさっと診察する仕組みを導入しています。いつもの処方をもらうだけでいい場合は、あらかじめ当院スタッフにお申し出ください。

    時間がかかってしまうのは心療内科の相談です。それぞれ悩みは深く、家庭や仕事に関して大きな転換点とも言える時期にストレスで体調を悪くしている方がほとんどです。仕事を辞めたいとか、離婚を考えているという相談に簡単には結論が出せないことばかりです。どうしても時間がかかります。実は、心療内科の病院はどこもパンク状態で、たいてい1ー3ヶ月待ちです。当院は開院以来予約無しで心療内科の新患を受けてきました。しかし、このままでは患者さんが多すぎてきちんと対応できそうにありません。

    めが回るほどのスピードで仕事しているのですが、ニーズの全てに答えられません。すべての患者さんの要望に答えられるだけの時間が取れないことは残念ですが仕方ありません。また、以前から来ていただいている患者さんにもちゃんと満足して帰っていただくには待ち時間にも限度があります。その兼ね合いを考えると、心療内科の新患は今後完全予約制にするしかないかもしれないと考えています。ギリギリまでがんばりますが、限界が近いと考えています。当院は薬物療法を基本としており、カウンセリングのみを希望という場合はお受けしていません。

  • 休日出勤

    日曜日は地域医療センターの出動協力で朝早くから勤務でした。日曜の救急外来ですから、発熱や下痢の人が大勢来られました。まだインフルエンザは1名しか出ませんでした。地域医療センターは医師会病院ですから、夕方から夜にかけての時間帯や土日祝日は常勤医でなく私たち開業医が当番で外来を担当(出動協力)しています。みんな2−3ヶ月に1回の協力ですから、医療センターの電子カルテの使い方も熟知しておらず、思ったように素早いペースでは診察できません。とにかく入力に時間がかかります。おそらく、これは私たちが慣れていないだけでなく、採用している電子カルテのシステムが古すぎて使いものにならないのだと思います。今はもっと優れた電子カルテがたくさんあります。ここの電子カルテは私が15年ほど前に国立病院で使っていたものと同じなんです。いまだに使えているのが奇跡です。

    また、この病院はとても古く建て替え計画が進んでいるところですが、現状古すぎてスタッフの動線がかなり悪くなっています。陪席についている看護師さんもすぐにどこかいなくなっていまいます。カルテを回したり、インフルエンザの検査の検体を提出に行ったり、とにかくあちこちへと動き回っています。そのたびに診察がストップします。

    朝8時頃には救急車も入って現場はいそがしくしていました。そんな中、患者さんがえらい剣幕で怒鳴り込んできました。救急病院なのにいつまで患者を待たせるんだ!その人のカルテを見ると便秘と書いてあります。いろんな理由で外来がスムーズでない救急外来と言うのは働く方も待つ方もストレスですね。

    地域医療センター の医局にあった観葉植物

  • 水素水と水素吸入

    先日統合医療学会で玉名医療センターの赤木院長の発表で水素吸入をした人はがんの生存率が飛躍的に伸びたというものがありました。さらに、水素吸入をした頻度が毎日の人と週に2−3回の人、週1回の人を比較すると、回数が多いほど生存率が良くなっていました。驚くべき効果です。もちろん水素に抗癌作用があるわけではありません。抗がん剤その他の治療と組み合わせるとその効果が良くなるのです。その理由は、水素が活性酸素と反応して水になると、活性酸素は消去されてしまうからです。しかも水素と言う物質は世の中で最も小さな分子です。原子1個に電子1個でHとなり、それが2個合わせてH2という水素分子となります。

    そのものすごく小さな分子は体のどんなところでもたやすく入っていきます。血液中のみならず各臓器へ分布します。そこで、頭でも、肝臓でも炎症を起こしている部位や血流が低下して活性酸素が発生していればそこで活性酸素を消去してくれます。まさにアンチエイジング的効果です。使った人の口コミをネットで読むと、化粧ののりが良くなったとか、疲れが取れた、よく眠れる、などいろいろ書かれています。

    スポーツの世界でも水素水(水素を溶かした水)で水分補給をすると運動で発生した活性酸素を消去してくれるのでパフォーマンスが上がると言われています。しかし、水に溶ける水素量はたかがしれているのと、時間が経てば抜けてしまうので、保存流通が難しいのが難点です。その点、水素ガスの吸入は量もおおく、さらなる効果が期待されます。とりあえず自分で水素吸入器を買って試してみようと思います。効果が良いようならクリニックでも皆さんに使っていただけるよう考えたいと思います。

  • 東区の勉強会

    診療後、勉強会に参加してきました。今回の会は東区で循環器を標榜しているクリニックと日赤の循環器内科との病診連携の会です。同じ循環器を専門としている人同士ですから商売がたきではありますが、気心の知れた仲間です。和やかな勉強会でした。勉強のテーマは糖尿病です。

    最近は新しい糖尿病治療薬が出てきてこの分野は飛躍的に進歩しています。いままで内服薬やインスリンで躍起になって治療していた高血糖は結局頑張って下げても心血管イベント(心筋梗塞やそれに伴う死亡)を減らせなかったということで行き詰まっていたのですが、新しくでたSGLT2阻害剤は心血管イベントや腎不全をを抑制する効果が証明され、ホットな話題になっています。今となってはこの薬を使わないことが罪のような時代の流れです。

    当院でも多くの患者さんにこの薬剤を処方しています。血糖が下がるだけではなく心血管イベントを抑制するというプラスαの部分が大切です。私たちがなぜ血糖治療をするかというと、心筋梗塞などで早死にしないようにという思いがあるからです。それがなければ血糖がいくつでも関係ない話です。それはともかく、時代は一気に変わりつつあります。糖尿病治療は新しいステージにはいりました。

    北中洲