むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 急がないこと

    先日、犬の散歩は効率良く回るのが目的ではないと書きました。ゆっくり時間をかけて、犬の好きなペースで歩くことこそが散歩の目的です。筋トレをしているわけでもないし、急いで帰って何かをする予定でもない、そんな時間の使い方があることを知るだけでも、慌ただしい現代から心をリセットさせてくれる気がします。

    クリニックの前の道は東稜高校の通学路になっており、朝と夕方は自転車でいっぱいです。それもあって、左右の歩道はかなり広めに作ってあります。その結果、車の通るスペースは狭くて対向車が来たらスピードを緩めないと危険です。自然とゆっくりとしか通れないように道が設計されているのです。街にシャワー通りというところがありますが、あそこも歩道を広く、しかもまっすぐな道をわざとくねくねと作ってありますから、スピードを上げられないようにしてあります。それと同じです。

    thumb_IMG_0484_1024クリニックに車でお越しの際にはどうかスピードを緩めて交通安全でお願いします。また、クリニックから道路に出入りする際には、左右からくる自転車にくれぐれもお気をつけください。

  • 調剤薬局

    最近のクリニックや病院はどこも院外薬局になっています。医院・病院では処方箋をもらい、それを持って院外の調剤薬局に行って薬と交換します。この仕組みには以前から役所的な規制があり、クリニック門前の薬局であっても独立した薬局であるから、クリニックとの境はきちんと塀や生垣を作って、薬局に入るには一旦道路に出ないといけませんでした。これは、役所が考える医薬分業の健全な姿かもしれませんが、患者さんにとってはなんのメリットもありません。医院・病院の隣にある薬局に行くためにぐるっと一旦道に出てからでないといけないなんて、不便でしかないですよね。

    この制度が、この4月から改正され、院外調剤薬局との間に塀を作らなくて良くなりました。当院でも隣の敷地に調剤薬局が今建築中で、クリニックに合わせてオープンする予定です。その薬局と当クリニックとの間には仕切りはありません。患者さんは道に出なくてもクリニックの玄関から薬局の玄関へ最短距離で歩いていけます。新しいスタイルですが、患者さんのことを思えば当然です。制度の改正が当院オープンに間に合い、本当に良かったです。

    今日は薬局の先生と今後のことについて打ち合わせをしました。

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    向かって右側のまだ足場に隠れている部分が調剤薬局です。来週くらいには足場が取れて、姿を表すと思います。当クリニックの車寄せの大屋根をまっすぐ通り抜ければ、ほとんど雨に濡れたりせずに薬局に入れます。駐車場はクリニックと薬局は共有となっていますので、車の移動は必要ありません。

  • 「効率を追求しない」生き方もある

    僕たちは時間に追われて生きている。分刻みの仕事、締め切りのある仕事。だれもが似たようなものだろうと思う。昔はバスの運行などもかなり大雑把だったけど、最近は、バスに乗って道がたまたま混んでいないとスケジュールより早く次のバス停に着いてしまうので、そこのバス停で時間合わせに3分ほど停車、とかざらにある。みんな1分にうるさいのだ。

    小学校の頃から時間を守るようにしつけられているので、時間を無視した生活というのに離れていない。つい、効率よく動く習慣がついている。

    犬(ゴン)の散歩をしていると、信号を何度か渡るところがある。ところが、うちのゴンは信号よりも信号の手前の電柱の方に関心がある。今だと青で渡れるのにーと思っても、ゴンは電柱の匂いを嗅ぐのに忙しい。あー赤になった。と思う。しかしよく考えてみると、ゴンにとって、効率よく青信号で散歩道を進むことは散歩の目的ではない。ゴンにとっては時間は関係なくて、早く散歩道を回ろうなどとは全く考えていない。いつもの電柱が今日はどんな匂いがするかなーというのが一番の関心であり、散歩の楽しみだ。効率など関係ない。ゴンにとってはそれでいいのだ。

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    今日、外来には毎月便秘薬をもらいに来る患者さんがきた。1錠だと効かず、2錠だと効きすぎる、と毎回同じ話をしていく。僕が、仕事の効率を追求するなら、「とりあえず1日2錠で処方しておきますが、調整して使ってください」と言って2−3分で終了。ただ、実際は僕の外来では、その患者さんのとりとめもない話を最後まで聞く。昔は便秘ではなかったという話、便秘は歳のせいでしょうかという話、山登りをしたらトイレがなくて大変だった話、昔軍隊で体を鍛えたから体は丈夫で便秘以外に何も薬はいらない話、などなど10分以上話はつづく。先月も同じ話を聞いたが、初めて聞くようにリアクションする。患者さんは診察室を出たらもう何を話したか覚えていないかもしれない。それでも、今日僕の外来でちょっとハッピーな時間を過ごした気分だけは残ると信じている。内科外来は救急外来と違って効率を追求しないで一人ひとりに十分な時間をとりたい。これは簡単にはできないのだが、そうする努力はしている。いや、楽しみながらそうさせてもらっている。後ろで待っている患者さん、待たせてごめんなさい。あなたの話もじっくり聞きますよ。

  • 在宅診療指南

    熊本でおそらくトップクラスの在宅診療を行っているWクリニックのK先生にアポイントをとり、在宅診療のイロハを教えてもらいに行ってきました。K先生は在宅だけで100人の患者さんを抱えており、最近まで昼休みを使って毎日往診されていたそうですが、ついに在宅専門のドクターを迎え入れて二人体制でクリニックの外来と在宅部門と両輪で進んでいるということでした。すばらしい。

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    在宅診療を始めるにあたり必要な行政手続きやドクター間のネットワークについて詳しく教えていただき、さらにクリニック経営や事業計画を考える上で是非読んでいた方がいいという本の紹介までしていただきました。ありがたい話です。

    来週から数週にわたり在宅診療に同行し、実際にどのように運用されているか、本を読んでもわからない点を現場で教えていただくことになりました。先週までの小児科のレクチャーに引き続き、素晴らしい支援者に恵まれ、幸せ者です。「教えてください!』とお願いする勇気と図々しさも大事ですね。

  • 腰痛

    昨日13キロを走ったと書いたが、そのためなのか、はたまた、変な姿勢で本を読んだりしたためか、今日は腰がかなり痛い。こんなことは以前にもあったし、そんなに珍しいことではない。

    僕は、患者さんの腰痛を治すのを仕事にしている。通常の医者は、腰痛の患者が来るとレントゲンやMRIをとって、この骨と骨の間が狭いとか、変形しているとか、わかったようなことを言いながらも結局湿布と鎮痛剤を処方しておしまい。それならわざわざレントゲンなんか撮らなくても、湿布と痛み止めをくれればいいのに、と思ったことはないだろうか?

    僕の場合は治療方法も独特だ。漢方で治したり、ハリをしたり、操体、整体・指圧などなんでもやってみる。患者さんごとに適した治し方があるようで、ハリや指圧でうまくいかなくても、整体でうまくいくことがある。もちろん急性の痛みは慢性の痛みより早く治る。

    さて、今日は自分の腰痛をどうやって治そうか?しばらくは指圧をしたり、鍉鍼(ていしん)といって、刺さらないハリでツボを刺激したりした。でも十分効果が出ない。さあどうしよう。R7218123

    自宅に帰って、子供に腰を揉んでもらった。なーんだ、そんなのどこのお父さんでもやってるよ、と思うだろう。しかし、ただ揉んでもらうのではない。

    子供に足で腰の痛い部分を押してもらい、リズムに合わせて体をローリングさせるのだ。つまり、自分はまるで手打ちうどんになったかのように、体を揺らしながら揉まれるのだ。これは、僕が習った整体のやり方で、歪んだ背骨を矯正するときには、グイグイ押したり、ぼきぼきっとなるまでひねったりするような方法と違って、ゆらしの力で治すのだ。息子はソファーに座ってテレビを見ながら5−6分、足を僕の腰に乗せて揺さぶるだけ。僕の腰痛はあっという間に治った。お礼にコンビニでデザートを買ってきてあげた。コンビニまで歩いて往復しても、ほとんど痛みはなかった。

    新しいクリニックには、ウォーターベッド型マッサージ機と低周波・干渉波電気治療機も入ることになっている。これらを使うと、さらに治療の幅が広がる。もちろん自分の腰痛に効果があるのはすでにお試し済みだ。乞うご期待。