むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ニコニコ堂

    ニコニコ堂を覚えている人は熊本でも結構古いですね。最近の人は知らないでしょう。今、このワープロで「ニコニコ堂」と入力すると、予測変換で「ニコニコ動画」が出てきます。そんな世の中です。話は私が小学校に入った頃にさかのぼります。まだ、肉は肉屋、魚は魚屋、野菜は八百屋へ買いに行っていました。それぞれの店で今日食べる分を買うのが主婦の日課だったと思います。そんな時代から、ある時突然文明が開花したようなショッキングなことがありました。近所にニコニコ堂がオープンしたのです。今でいえば、マックスバリューとか、ゆめマートのような店です。

    そうなると、肉も魚も野菜も一箇所で買い物できます。なんて便利なんでしょう。もう一つが「暮らしのセンター」という農協(JA)のスーパーです。どちらも、買い物についていくのが楽しみでした。今思い出してしみじみ感じるのが、「ニコニコ堂」って結構いいネーミングだな、ということです。できることならパクって「医療法人ニコニコ堂むらかみ内科クリニック」なんてつけてみたい気もします。

    今医療は専門化されて循環器内科、消化器内科、整形外科、皮膚科、眼科とお年寄りは病院巡りが日課となっています。私は可能な限りいろんな診療科に対応して、循環器も整形外科も、心療内科も私のクリニックに来れば大抵は間に合うというような「ニコニコ堂」をイメージしているのです。

  • 読書の秋

    連休三日目、いかがお過ごしですか?

    私は、昨日までの学会で東洋医学書専門の本屋が出店していたので、鍼治療関連の本を買いました。今日はせっかくの秋晴れでしたが、知り合いの先生に病院当直(日勤)を頼まれ、朝から夕方まで近所の病院の当直室に缶詰でした。幸い、入院患者さんの急変などもなく、一日本を読むことができました。夕方までに300ページ超の本を全部読み終えました。とりあえず読んだということで、頭に入ってしまったわけではありませんが、腰痛、寝違え、五十肩、などなど症状ごとに治療のポイントが書いてあるので、明日からの患者さんに早速応用して効果あるツボからの治療を実践したいと思います。きっと治療成績が上がることでしょう。

    私たち医師は学生の頃に国家試験のために膨大な量のテキストや参考書を勉強します。とにかく読みまくるので、本を読むスピードはかなり早くなります。速読のテクニックがあるわけではないのですが、とにかく必要に迫られてどんどん読みます。私が本を読む際の癖は、1冊の本をじっくり読まず、2−3冊を並行して読みます。1つを途中まで読み、飽きたら次の本を少し読む。それの繰り返しです。昔からそういう読み方をしていました。渡辺淳一、三島由紀夫、村上春樹などジャンルの違う本を同時に読んでいました。

    今、毎日の速読といえば、電子カルテです。次の患者さんを呼び、その人が診察室に入ってくるまでの10−20秒で過去カルテを遡って読み返し、問題点や課題をおさらいします。新患の場合、問診で聞いた情報がカルテに書いてあるので急いで読んで確認します。とにかく速読に迫れれる毎日です。

     

  • 中医学会二日目参加

    昨日に引き続き、中医学会に参加しました。熊本で皮膚科で漢方治療を実践されている牧野先生による講演や、体の歪みを操体法というセルフ整体のような方法で治療する久光先生の講演がありました。それぞれ、その道数十年の経験から貴重な講演をいただきました。私たち医者を大きく二つに分ければ、大学をはじめとする教育者と実地でひたすら臨床に携わる臨床家に分けられると思います。たいていの講演会では大学教授をはじめとする教育者の講演ですが、今日の講演のお二人はどちらも臨床家です。朝から整理券をもらっても診察は夕方というレベルの混み合いです。こういう経験に基づくお話をいただけたのは大変貴重であり、私たち臨床家にとってすぐに役立つアイディアに溢れていました。

    一方、中国、香港、台湾などからの参加者も多数いて、講演も中国語(通訳付き)というのが多数ありました。こう考えると、やはりこれから日本で国際交流をするには英語だけでなく中国語を勉強しないといけないな、と思います。政治や思想的には近隣諸国とは色々ありますが、学問の世界の国境はありません。言葉がに壁があると情報が入ってきませんから、まずコミュニケーションだと思います。

    今後日本の人口は激減します。国力を維持するには外国人に入ってきてもらうしかありません。とりわけ医療、介護の分野はロボット化できません。マンパワーが全てです。それを見越せば、私たちにとっては中国語が必須の時代がすぐそこのように思います。

  • 中医学会

    漢方を専門とする人の大半は日本漢方が専門です。その学会は日本東洋医学会と言います。私も入っています。一方、中国医学は日本漢方とは別の流派として存在しており、日本中医学会という学会があります。今日はその中医学会の全国大会が熊本で開催されました。台風直撃が危ぶまれましたが、奇跡的に雨は降らず、無事に初日が終了しました。

    実は私は漢方を勉強し始めた25年くらい前についた師匠が中医学が得意だったので、ずっと中医をベースに勉強してきました。今日の学会ではその当時の師匠もご健在で、さらに東京などの重鎮の先生方も熊本に来られていました。みんな20年来のお付き合いですが、10年ぶりくらいにお会いしました。私は開業する前は大きな病院で透析担当医だったので、全く休みがなく遠方の学会には滅多に行けませんでした。そして、開業してみると、さらにいそがしく、専門医を更新するのも困難なくらい熊本から出ることは不可能となってしまいました。そんな中、学会が熊本で開催されるのは本当にラッキーでした。

    懇親会でお隣におられた方にご挨拶したら、なんと私が鍼治療の座右の本にしている藤本蓮風氏のご子息でした。この先生も雑誌で見たことのある超有名人です。ラッキーにもお会いできてうれしかったです。こういう超有名人と交流できるのが座学と違って学会参加の醍醐味ですね。

  • アレルギーの季節です

    秋はアレルギーの季節です。春の花粉症もありますが、秋の花粉症もあります。また、気温が下がってきて風邪も引きやすいので、注意が必要です。喘息もこの季節増えてきます。アレルギー体質の人にとっては油断できません。

    台風が近づいていますが、不思議なもので、喘息や片頭痛は台風の接近で悪化します。予測がつくのでそぶんいいかもしれませんが、もしそういう体質なら準備したほうがいいと思います。喘息の場合、最近は吸入治療薬がよく効きますから、日頃サボり気味でも、この季節はきちんと吸入しておくことをお勧めします。

    片頭痛の場合、五苓散がよく効きます。気圧が下がってきたら早めに飲んでおくと頭痛が予防できるか、軽くて済みます。ただ、片頭痛は起こってしまうととても辛いので、トリプタン製剤を早めに使うことも大切です。台風が近づいていますので、くれぐれもご注意ください。