むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 薬味の組み合わせは漢方に通じる

    暖かい日が続いています。今日の午後は診察室が27Cもあったので、クーラーを入れました。もちろん半袖の白衣で仕事です。冷やしておかないと頭がオーバーヒートします。私はマラソンを初めた7年ほど前から冷え性になりました。体脂肪が極端に減ったからだと思います。それ以来、冬の診察時にはポケットにカイロを入れたりしていました。ところが、このところ走るのをやめて少し太ったのもありますが、冷え性は軽くなりました。また、今年は韓国料理にハマって、週に5回以上唐辛子で真っ赤なチゲ鍋をたべ、いつも体がポカポカしています。にんにくもチゲに入るので効いているのかもしれません。また、血行を良くするオメガ3(フィッシュオイル)のサプリもとっています。結果、何が一番効いたのかは不明ですが、私の冷え性はかなり良くなりました。

    唐辛子などの薬味はその名の通り薬です。漢方では2000年以上前に薬用植物の性質をまとめた神農本草経という本があり、それが漢方理論の基本となっています。唐辛子の性質は大熱です。大いに温める働きがあるのですが、不思議なことに北国だけでなくインド、タイ、メキシコなど暑い国で辛いものが食べられています。それは、辛いものを食べることで胃が刺激されて夏の食欲低下の治療効果があると思われます。また、食べると発汗するため、結果的に温まったあとに体が冷めてしまうのです。それが暑いところでスパイシー料理を食べる理由だと思います。

    では、韓国料理は南国の料理と違って唐辛子で温まった上に体が冷めないのはなぜか?不思議です。おそらく唐辛子は温めるだけなので、冷まさない工夫があるはずです。韓国料理の味付けに定番なのは、ごま油とにんにくです。これらの組み合わせをすることで冷えないのかもしれません。漢方でも麻黄という生薬は体を温めるのですが、桂枝と組み合わせるか石膏と組み合わせるかで温め方が全然違ってきます。おそらく唐辛子もにんにくなどとの組み合わせで薬性が変わるのではないかと思います。こう考えると、無限の組み合わせから最も薬効の発揮されるレシピが漢方薬です。その漢方を無秩序に組み合わせると薬効が損なわれるのは自明のことです。

    珍しい菊です

  • 冷え性について

    最近マイブームで見ていた「ゴーバック夫婦」という韓流ドラマが、なんと昨日アマゾンでの配信が終了してしまったと書きました。第7話まで見て、今からクライマックスを迎えるというのになんてことだとがっかりしていました。今日ネットで調べてみたら、DocomoのdTVというサービスで見られることがわかりました!dTVは、ドコモの携帯を契約する際に、1ヶ月無料ですからしばらく試して、いらないと思ったら解約してください、と無理やり契約させられましたが、iPhoneを買ったその日に自宅で解約した記憶があります。これだけでなく、dなんとかという音楽や雑誌を見られる契約を山ほどさせられて、解約するのが相当大変でした。それ以降、詐欺みたいな契約をさせるドコモは嫌い!dポイントなんか絶対貯めない、と決めました。しかし、このドラマの続きが見られるなら、ドコモさん、許してあげます。最後まで見させてください。月500円でドラマ見放題のサブスクです。格安です。さっそく再加入しました。今から続きを見ます!

    ところで、毎日暖かい日が続きます。昼に車に乗ると、エアコン(クーラー)を入れないときついです。しかし、こんな暖かくても、もう「しもやけ」ができたと来院される若い女性がいました。血行が悪いのでしょう。しもやけには漢方がよく効きます。当帰四逆加呉茱萸生姜湯が温める働きが強いので一番使われますが、桂枝茯苓丸、附子末などを併用すると更に効果的です。

    私の好きな分子栄養学的に考えると、冷えはエネルギー不足です。ATPの産生力低下、ミトコンドリアの機能低下、胃腸の消化吸収能力の低下、血管を拡張させる一酸化窒素不足とその材料のタンパク質(特にアルギニン、シトルリンの不足)などが考えられます。ビタミンB,C,E、オメガ3などをたっぷりとって、タンパク質(肉や魚)も取りましょう。にんにく、生姜、唐辛子などの薬味も体を温めます。ビールやハイボール、アイスクリームなど冷える食材は避けましょう。

     

    下通りでテイクアウトのランチを買って、公園でひなたぼっこしながら食べました。シャワー通りから3号線を本荘側へ渡ると右手の白川河川敷上の公園です

  • 人生楽しいことばかり

    ニュートリノを発見したノーベル賞受賞者の小柴昌俊さんが亡くなったというニュースです。私は物理のことはあまり詳しくないのでこの発見が何かを解説できません。しかし、私たち漢方医にとって、この先生の名前は馴染み深いです。なぜなら、「小柴胡湯」というとてもよく効く処方があり、名前が同じだなと感じるからです。漢方には大柴胡湯もあります。漢方医は不思議なもので、世の中の現象をいろんな意味で自分たちの得意な東洋医学的考え方に反映させます。例えば、ドラマで主人公があかんべーしたら、舌の色や形を見てその人の体調がわかってしまう。食事(メニュー)を見ても寒熱虚実や陰陽五行を考えてしまうのです。

    そういう私は辛い物好きで、韓国料理はもちろん、メキシコ料理、四川料理などにも目がありません。そんな中、KALDI(輸入食材屋さん)を物色していたら、麻辣ソルトというスパイスを発見しました。麻辣(まーらー)というのは唐辛子と山椒(花椒)のミックスです。さっそく買ってきて、マーボー豆腐を作ってみました。ひき肉とネギを炒め、おろしにんにく、豆板醤(とうばんじゃん)、甜麺醤(てんめんじゃん)、魚醤(ナンプラー)を入れます。水を少し入れて軽く煮込んだら水溶き片栗粉を入れてとろみを付けます。仕上げに麻辣ソルトをふりかけてみました。うまい!!これは、市販のマーボーの素なんかよりずっと美味しくできました。

    政府は印鑑の無駄をなくす動きを本格化しており、9割がた廃止の方向みたいです。これはいい動きです。私の名前「村上」のような印鑑はどこにでも転がっているので、印鑑を忘れても出先の事務員さんに聞くと、ありますよ、貸しましょうか、と言ってくれます(笑)。政府が次に廃止を進める予定なのが、収入印紙など。飲食店などで領収書を頼んだら、店の人が印紙を貼ってくれる事があり、恐縮します。オンライン(通販)の場合PDF領収書には収入印紙を省略できるという不公平な制度がありますが、全面撤廃してほしいですね。

    15日(日)は休日出動協力医として地域医療センターの救急外来をします。

  • 漢方を始めた頃の思い出

    先日も書きましたが、錦ヶ丘公園まえにドミノ・ピザがオープンしました!早速、ご祝儀がてら行ってきました。混雑を避けて夜の9時頃行ったのですが、結構お客さんがいました。注文を受けてから生地を伸ばしてトッピングし、窯に入れます。10分ほどで完成です。いま、それをつまみながらブログを書いています。幸せ気分です!宅配もできますが、店で注文してテイクアウトすればなんと半額です。Mサイズで1000円くらい。こういったピザにしてはかなり安いですね。

    さて、晩御飯がこんなに遅くなったもう一つの理由は、WEB講演会があったからです。今日は、福岡の筑豊漢方セミナーと熊本産婦人科漢方セミナーの2つがあり、時間がかぶってしまいました。リアル講演会だと、不可能なのですが、私はいつものごとくテーブルにiPadを2つ並べて両方同時に視聴しました。どちらもとても勉強になる会でした。特に感動したのは、福岡の勉強会に千葉の寺澤先生が参加され、コメントされたことです。寺澤先生は日本の漢方教育の草分けで、富山医科薬科大学の和漢診療部で長いこと活躍されました。私は研修医時代、寺澤先生の本を擦り切れるほど読みました。そして、いまも自分の漢方診療の基礎となる考え方は寺澤流です。今日、コメントされたとき、はつらつとした元気なお声を聴いて、嬉しかったです。

    私は研修医時代から漢方を勉強したいと思っていましたが、本を読んで独学するにも難しいなあと思っていました。そんなある日(今からもう30年ほど前になりますが)、寺澤先生が熊本に来て講演をされました。当時大学にいた先輩の坂田研明先生(現在、熊本リウマチ内科@四方寄)と一緒に参加したのを覚えています。そこで、漢方の師匠となる御船の牟田医院の牟田光一郎先生とであい、弟子入りしたのがすべての始まりでした。

  • 「メガビタミン健康法」発売(藤川先生著)

    藤川理論を勉強している方に朗報です。新刊「メガビタミン健康法」という新刊が出ました。早速購入しました!いま半分読みましたが、内容は今までの「うつけしごはん」とか「すべての不調は自分で治せる」に書いてあったことですが、改めて読んでみるのもいいと思います。基本はタンパク質(プロテイン)、鉄、ビタミンをしっかり取って健康になる(心と体を強くする)メソッドです。読み終わったら、クリニックの待合においておきますので、御覧ください。

    もう一冊いま読みかけているのが、「ハーバード大学医学部で研究してわかった 絶対に失敗しない5つの健康習慣」高橋栄 著です。こちらもとても興味深い内容です。糖質をへらすことの大切さが書いてあります。日本人に限らないと思いますが、米、パン、麺などの炭水化物は中毒性があります。やめられない止まらないです。しかし、タバコや麻薬のような強力な依存ではないので減らすことはさほど難しくはありません。単なる習慣です。当院でも、糖尿病と診断された患者さんに糖質制限のコツを教えて、素直に取り組んでいただけた方は、最小限の薬で効果抜群です。HbA1cが12あった患者さんも2−3ヶ月で7を切るレベルに改善しています。

    クリニックの待合に日経ヘルスという雑誌を並べているのですが、今日手にとって見ていたら、HSP(最近では「繊細さん」と呼ばれている)の記事がありました。いろんなことに繊細で敏感で疲れてしまう人です。気を使いすぎ、音や匂いにも敏感、人見知りなどいろんな特徴があります。最近このような患者さんからの問い合わせもよくあるのですが、あまりに生活に支障をきたすようなら薬を使ってみるのもいいと思います。人一倍繊細な神経を生かした職業(音楽や芸術関係)につくと素晴らしい才能を発揮するので、うまく付き合うことが大切です。