むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 日々難しい症例ばかり

    漢方を専門にしていると、時々とても難しい症例に当たります。治療が難しい代表格が耳鳴りです。耳鼻科で検査して、異常なしと言われたり、聴力が落ちているけど薬はないと言われた場合、西洋医学的にお手上げということです。そういう患者さんが漢方に期待して来られるので、なんとか耳鳴りが気にならない程度にでもならないかとあれこれ考えて処方します。たまにうまくいくこともありますが、やはり耳鼻科で難治(治療法がない)と言われた人を治すのは一苦労です。

    コロナ後遺症も積極的に見ていますが、頭痛、動悸、倦怠感、微熱など人それぞれの症状が隔離解除になっても続いており、場合によっては2−3ヶ月たっても調子悪いと言われることもあります。そのような場合の多くはコロナにかかる前からあった体調の悪さが強調されているだけのことが多いので、そういうアプローチで治療していますが、これも西洋医学的にはほとんどなすすべもなく、経過観察となっている人も多いため、漢方でなんとかならないかと日々努力しています。

    中高生で朝から起きられずに学校に行けないという問題も最近増えています。夜ふかしするせいで朝起きられないという時差ボケ状態の人が多いのですが、ちゃんと夜布団にはいっても何時間たっても寝付かないという場合もあります。このようなときは時差ボケを治すメラトニンに似た薬剤を使いながら、漢方でフクロウ体質(夜行性体質)改善をはかると朝起きれるようになることがあります。

     

  • 安かろう悪かろう??

    スマホの表面に強化ガラスのカバーを貼っていますが、気泡が気になったので追い出そうとグイグイ押していたら、なんと強化ガラスが割れてしまいました。2000円近かったのになんてことだ。たまたまキッチングッズを買いにダイソーに行ったら、なんとiPhone用の強化ガラスフィルムが100円で売ってあるではないですか。物は試しと買ってみたら、きれいに貼れました。スマホの反応もよく、映り込みも問題ない。100円で十分満足行くのが、逆に驚きでした。高いやつは一体何だったんでしょう。

    医薬品にも高い一流ブランドと、特許切れの薬品を格安で製造するジェネリックがあります。国は財政難からジェネリックの比率をとにかく増やすようにと言ってきます。基本は同じ成分なので、ジェネリックが安くていいのですが、なかには粗悪なものもあるようです。先発メーカーほどきちんと製品の品質チェックがされていないので錠剤によって効き目がばらついたりするようです。例えば睡眠薬。敏感な人に言わせると、先発でないと眠れないとのこと。そんな事あるのかと思うのですが、事実そういう人が複数いるので本当ではないかと思います。

    季節は花粉症でたいへんですが、花粉症の薬(抗ヒスタミン剤)もジェネリックに変わった途端全然効かなくなったと言われることがあります。ジェネリックは10−20ほどのメーカーがこぞって作っているので、ジェネリックだからだめというわけではなく、その中の一つのメーカーの品質が悪かったということだと思います。わたしたちドクターはジェネリックのメーカーなどは把握しておらず、処方箋には一般名処方(どのメーカーでも良い形)で書いているため、患者さんが薬局で薬剤師さんと話をして決めることになります。国は「ジェネリックを希望します」というシールを薬手帳などに貼るよう勧めていますが、効かない薬をもらっても仕方ありませんので、そのへんは財布と相談して高くてもいい品質のものをもらうのもありだと思います。(国の政策と反するので大きい声では言えませんが・・)

  • 植物性乳酸菌の話

    月曜日、診療のあと急いで帰宅して、東洋医学会九州支部の役員会(WEB)でした。例年だと、4月の今頃の日曜日を丸々一日潰して九大の講堂に集まっての会議でした。遠くは沖縄からわざわざ参加されていました。それが、去年からコロナのおかげでWEB会議となり、日曜を潰すことなく平日夜に90分でサクッと終わる会議となりました。ZOOMの発達は本当に素晴らしいです。リアルの会だと終わったあとみんなで博多駅前の居酒屋で親睦会などあっていたのですが、それがなくなった分、みなさんと雑談することはなくなりましたが、時間も経費も節約できていいことばかりです。

    今日製薬会社のMRさんと話していて、同じようなWEBの話題となりました。最近は就活もWEB、面接もWEBで入社しても親睦会もなし。お互いどんな人なのかいつまでたってもわからないまま、早い人ではもう転職していってしまう。そして、その人の送別会もなし。WEB会議は便利な反面、人間関係がどんどん希薄になってきています。

    話は変わって、植物の表面には乳酸菌がついています。乳酸菌といえば牛乳をヨーグルトにする菌という認識だと思いますが植物性乳酸菌というのがたくさんいます。ぬかづけやキムチが(麹のような種を入れなくても)勝手に発酵するのもその植物由来の乳酸菌のおかげです。そして、植物性乳酸菌は動物性(ヨーグルト)より胃酸に強く腸まで届くと言われています。いい乳酸菌は良い土で育てた野菜についています。有機野菜が多少高くても体にいいのはこういうところにあります。化学肥料や除草剤まみれの、みかけだけピカピカの野菜ではだめなのです。

  • 忙しい週末でした

    快晴の日曜日でした。おそらく夏日だったのではないかと思います。いかがお過ごしですか?私は業者によるクリニックのワックス清掃で朝からずっと院内に待機していました。ボーとしていてはもったいないので、今日はToDoを準備して精力的にこなしました。まずは3月分の領収書の整理と帳簿つけ。次にオンライン勉強会で腸内環境の勉強。その後、来月漢方の講演を頼まれているスライド作り。午後になり、岡山でハイブリッドで開催された漢方セミナーにオンライン参加。そうこうしているうちにワックスがけは終了。朝からうちのゴンをペットサロンに連れて行ったので、帰りにお迎えに行きました。これから夏なので涼しく短めにカットしてもらいました。あとは、いつもの週末のルーチンでスポーツジムで汗を流し、施設内の温泉に入りリフレッシュ。帰りに実家にちょっと寄りました。自宅の掃除機かけ、洗濯を2回(衣替えのため)、銀行のATMなどの雑用もこなし、日曜のToDoは全部終了です。

    こう書いてみると、自分は多動症ではないかという気もしてきますが、通常はわりとのんびりしているので、おそらく多動ではないと思います。ADHDという疾患があり、注意欠陥・多動症と訳しますが、不注意と多動・衝動性を特徴とする発達障害のことです。小児で落ち着きがないとか集中力がないとか忘れ物が多いなどと言われていれば、ADHDの可能性があります。また、そのような幼少期を過ごした人がおとなになってなんとか社会人としてやっていても、ミスが多く上司に怒られてばかりで休職や転職を繰り返す。一人暮らしを始めたら部屋を片付けられなくてゴミ屋敷になったり、いらないものを衝動的に買ったりする。

    以前ならこういう人もキャラクターとして認識されていたと思いますが、最近ではADHDという診断がつくようになり、治療することができるようになっています。薬を飲んで頂くことで、落ち着いて勉強できたり、仕事に集中できるようになります。上司からの指示がちゃんと入るようになり、ミスが減ります。その結果、短期間で転職を繰り返していた人が、同じ職場で長続きするようになります。

  • 専門性を高めないと世界と戦えない

    例年、春の今頃になるとクリニックの駐車場の植え込みは草がどんどん伸びてきて日曜日には汗だくになって草取りをしていました。しかし、去年「草なしくん」を施工してもらったおかげで、今年は草取りから開放されました。わずかに草がでているところがありますが、実は「草なしくん」施工後の無料メンテで生えてきた草は処理しに来てくれるので私は触る必要がありません。むしろ、そのままにしておいたほうが、今後生えてこないようにしてもらえるのでいいのです。これで、私は完全に草取りから開放され、その分をWEB講演会など勉強に当てることができます。また、貴重な日曜日に草取りで疲れることなく次の週には元気よく仕事ができるわけです。

    以前私がアメリカにいた頃、研究室を掃除していたら教授から怒られたことがあります。「私はお前が掃除するために給料を払っているわけではない、掃除は掃除専門の人がいるだろう、自分がしないといけないことに専念するように」と。日本では考えられない割り切った考え方です。しかし、この分業制のおかげでアメリカの労働生産性はとても高い。そして、専門性を無視して何でもできるようになれと雑用から高度に専門的なことまでごちゃまぜにされる日本は先進国中労働生産性が最下位です。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA176ZL0X11C21A2000000/

    4月は社内でも部署異動の季節です。今まで慣れ親しんだ仕事から全く畑違いのことをさせられて、何が何だか分からないと言う人も多いと思います。これで鬱になって来院される方が相当あります。専門職と総合職を適当に人事異動する日本の弊害だと思います。それでも最近、ちょっとした変化を知りました。小学校の先生が全教科教えていたのを改め、中学校みたいに教科別にするとのこと。やはり専門別の方がいいに決まっています。