むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 患者さんとの別れは辛い

    現在、クリニックの開業準備中だが、今月いっぱいは桜十字病院の勤務がある。7月末で退職するため、残りは1ヶ月を切った。今外来に通ってきている患者さんが次に薬を取りに来るのはだいたい4週間後になるのでその時は僕はもう桜十字にはいない。

    そんなわけで、外来の患者さんには一人一人次回の外来担当医が変わるあいさつをし、名残を惜しむ。中にはそんな・・・と絶句し、涙を流される人もいる。こちらも、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。できることなら、この患者さんたちを一生面倒見てあげたかった。患者さんは自分の家族と同じ気持ちで接する、というのは新しいクリニックでも理念として掲げているが、当然桜十字の外来でもそういう気持ちで働いてきたので、一人一人との別れは寂しい。たいていの人は顔パスに近いくらい顔なじみ。病歴もずっと前のことから知っているから、いちいち説明しなくてもわかっているという安心感がある。いつ病院に来てもほとんど僕がいて、内科だけでなく、皮膚科でも泌尿器科でもちょっとしたことならなんでも対応する、そんな便利な存在だった。しかし来月からは、曜日で外来担当医が変わるし、それぞれが呼吸器、消化器、循環器と専門別になり、専門以外は見ない体制になる。大病院はかかりつけでなく、専門科に専念する、というのは国の施策なので仕方ない。

    そうすると、お年寄りは一つの科の外来で済むような場合は少ないので、幾つもの病院(診療科)を回らないとけないことになる。診療科を幾つも回ると時間がかかるだけでなく、無駄な検査も投薬も増え、検査漬け、薬漬けの状態となってしまう。かかりつけ医がいなくなってしまうのはこんな不都合があるので、本当に皆さんには申し訳なく思っている。しかし、僕の新しいクリニックは桜十字から車で片道30分はかかるので、高齢者には病院を変わるのは難しい。

    そんなわけで、一人ずつ挨拶を交わし、カルテには申し送りのサマリーを書き残し、1日で50名近い外来を終えると、さすがにどっと疲れが出る。

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