むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 春はすぐそこ

    寒いですね。毎日氷点下のあさです。私の小学生の頃は冬といえばこんな寒さで、霜柱を踏みながら通学していました。それが、いつの頃からかだんだん暖かくなり、冬に氷が張るほどの寒さはたまにしかなくなりました。それが、今年の冬は毎朝氷点下です。むかし懐かしい冬らしい冬です。しかし、そういう中、昼から夕方にかけての日差しは春そのものです。だいぶ明るくなり、日の入りも遅くなってきました。立春ももうすぐです。漢方で言う「陰極まれば陽生ず」です。

    最近はこのブログを見て遠方からいろんな相談に見えます。本当に難しい病気もあります。難しいとはいえ、癌のような不治の病ではないのですが、どう治療していいかわからないような症例です。私も、西洋医学と漢方で縦から横から観察しながら治療の方法を考えるのですが、あまりに難しくてすぐには治療法が思いつかない時があります。そのような場合は、まず治せそうなところから治すというのが原則です。例えば、頭痛、めまい、ふらつき、倦怠感、食欲不振、かたこりなどを訴える患者さんがいます。通常ですと不定愁訴と言って片付けられます。しかし、例えば食欲は治せそうだとか、頭痛、めまいは困っているから第一に治そうとか、そういう部分寛解を目指して治療すると、それなりに成績が出ます。それを繰り返すうちに全体的に良くなります。

    私が漢方の講義をするときに学生さんによく話をするのは、熊本から大分まで一気に行こうとしても、直通のJRはほとんど通っていない。飛行機も飛んでいない。そういうときは福岡経由で行けばいい。最初に進む方向はダイレクトに大分の方向を向いていなくても、ある程度進んでから方向を修正すれば大丈夫です。直通の道ばかり探さずに、行けそうな方向へまず進んでからあとで修正すればいいのです。