むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • マラソンランナーと貧血

    仕事仲間のマラソンランナーでむちゃくちゃ足の速い人がいる。もちろん素質があるだけでなく、日頃から練習も相当やっている。この暑い時期にランニングをすると汗の量がハンパない。僕も梅雨明けしてからはできるだけ毎日8kmくらいは走っているが、家を出る前に十分水分を取って出かけても、帰ってくる時には立派な脱水だ。体重を計ると1キロくらい痩せているが、実際には痩せたのではなく、水分が抜けただけだ。

    汗は水分だけでなく、塩分も含まれているから、補給する際には十分な塩分を入れたほうがいい。塩分と言っても、塩だけではなく、カリウムやマグネシウム、亜鉛など微量元素全般が消耗してしまうので、それを補っておかないと体調が維持できない。スポーツ用品店にはいろんなサプリが売ってあるが、僕はそういうサプリは使わない。代わりに飲んでいるのは、ビール酵母だ。商品名ではエビオスというアサヒビールが出している胃薬のようなサプリだ。成分の分析表を見ると、あらゆるビタミンとミネラルを含んでおり、しかもビールを作る際の搾りかすなので安い。毎年夏のランニングをした日だけはエビオスを30錠一気飲みする。走った後に喉が渇いているので、どうせ水を飲むので、その際に6粒ずつ5回に分けて飲むのだ。

    話は最初の友人の話に戻るが、彼は採血するとほとんど貧血はないが、鉄剤を飲むと疲れが取れて、立ちくらみなどもなくなり、ランニングの記録も良くなるという。鉄だからドーピングではないと思うが、やはり飲んでおくと違うらしい。今日その友人がそのまたランニング友達を連れて僕の外来に来た。採血してみると、軽い貧血があった。また、筋肉が壊れた時に上がる数値がかなり上昇していた。つまり、走った時の筋肉のダメージか、脱水による筋肉のダメージが起こっているのだ。毎日何キロも走っていて一見健康そうに見える人たちも、案外いろんな問題を抱えている。自分でも健康のために走っているので、走ったために体を壊しては本末転倒だ。特にこの時期は注意が必要だ。

    thumb_IMG_0565_1024