むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方勉強会〜テーマは頭痛〜

    毎月定例で漢方の勉強会を開催している。私もその世話人の一人で、先月と今月は司会進行の当番だった。今回の講師は東京在住の中国の先生。熊本にはしょっちゅう来ていただいているので、気楽な関係。日本語は流暢で、なんでも教えてくれる。今回は頭痛をテーマに、中医学的な解説をしていただいた。

    西洋医学で頭痛と言えばバファリンとかロキソニンで飲めばとりあえず治るというものだが、片頭痛の人はなかなか簡単には治らないし、特効薬と言われている片頭痛薬は1錠が千円近くするため、あまり気軽に飲むことができない。一方、漢方ではその人の体質に合わせて10種類以上の処方の中から最も合っているものを選んで使う。したがって、同じような頭痛でも、自分に合う薬が必ずしも他人の頭痛に効くとは限らない。その辺が漢方独特で面白いし、深みがある。

    なかでも厄介なのは、薬物乱用性頭痛という疾患だ。薬物乱用と聞くと覚せい剤や麻薬のようなものを思い浮かべるが、この頭痛は頭痛薬(鎮痛剤)の飲み過ぎで起こる病気だ。つまり、頭が痛いから頭痛薬を飲む。飲めばしばらくいいが、その頭痛薬のせいで次の頭痛が誘発される。また頭が痛むから頭痛薬を飲む、の悪循環が始まり、どうしても断ち切れなくなり、薬物乱用に陥るのだ。これを直すには頭痛薬を絶たないといけないのだが、それは辛いこと。頭が痛いのをなんとか我慢させて痛み止めを使わないでいると、やっと悪循環から抜け出せるというものだ。しかし、それほど意志の強い人はなかなかいない。

    そこで漢方の出番だ。漢方で頭痛の起こりやすい体質を治療すると、次第に頭痛の回数が減ってくるので、自ずと頭痛薬を飲む回数も減る。その結果、薬物乱用性頭痛からも苦労せずに自然と離脱できるよいうものだ。僕の外来でもこのような漢方薬併用でうまく行った患者さんは何人もいるので、今では自信を持って漢方を使うことで頭痛薬から離脱へと導いている。頭痛に困っている人は是非ご相談ください。(クリニックはH28年9月1日オープンですので、お急ぎならメールをください murakaminaika096@gmail.com)

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