むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 心臓神経症

    ドキドキしたり、胸がキューと痛くなったりして心臓病かと思って循環器内科を受診したら、心電図も心エコーも異常なし、24時間心電図(ホルター)とか心臓CTまでしたけど何もなかった、という場合、心因性を疑われます。いわゆるストレスからきた胸部症状です。実は、循環器内科のドクターは検査異常がない胸部症状の治療がとても苦手です。

    そういう私は、循環器内科の専門医ですが、大学病院の外来を担当していた時には漢方外来もやっていたため、循環器を受診したのに検査の異常が見つからなかった場合、漢方に回ってくる患者さんが結構いました。これが心臓神経症です。手術も受けて治療は成功したのに胸の症状が取れない、という場合もあります。こういう患者さんたちを治療するのが大学病院での私の仕事でした。

    今は漢方だけでなく、安定剤や抗うつ剤も併用します。その方が圧倒的に治療成績がいいからです。しかし、西洋薬で副作用がある場合や妊娠希望、あるいは更年期症状も合併している場合などは漢方の方がいいと思います。狭心症や心房細動が隠れていないかを慎重に観察しながらメンタル面からの治療も行っているのが現状です。