むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 春の花が咲き始めました

    すごくいい天気で温かい一日でした。昼に往診に出かけた際には暑くてクーラーを入れました。自宅では、この好天気の恩恵で布団も干したかったのですが、仕事に出るのは暗い時間で帰宅するのも日が暮れているので外に出していくわけにはいきません。そこで仕方ないので室内に干して仕事に行って帰ったら、布団はふっくらと乾燥していました。やっぱり温かいとちがいますね。クリニック近くにコブシの花が満開です。コブシは漢字で辛夷と書きます。漢方で葛根湯加川芎辛夷とか辛夷清肺湯という処方があります、辛夷(こぶし:シンイ)は鼻炎に効く生薬です。花粉症の季節に鼻炎に効く辛夷の花が咲くなんて、面白いですね。

    辛夷清肺湯は、市販ではチクナインという商品名で手に入ります。ネーミングの通り蓄膿症の薬です。アレルギー性鼻炎がひどくなると副鼻腔に感染を起こして鼻の横(頬)や目頭付近に痛みを感じるようになります。頭蓋骨を軽く叩いてみて響いて痛むときはほぼ間違いなく副鼻腔炎です。耳鼻科に行くと抗生剤を出されますが、治りにくいときは何ヶ月も抗生剤を変えながら投与されます。当院では辛夷清肺湯をベースに入れながら抗生剤を使います。炎症が取れたら、漢方だけしばらく続けておくと再発予防になるため、慢性鼻炎でしょっちゅう副鼻腔炎になる人にとっては辛夷清肺湯はとても有用な処方です。

    辛夷とハクモクレン(白木蓮)はそっくりなので私には区別がつきません。たぶんモクレンのほうが花が大きいような気がします。似た花といえば、ボタン(牡丹)とシャクヤク(芍薬)もそっくりです。ただ、牡丹は木で少し大きく、芍薬は草で小さめです。どちらも根っこが漢方薬になります。漢方で瘀血(おけつ)という血液の循環の滞りを治してくれるので女性向けの処方の特効薬となります。

    満開のコブシ 佐土原にて