むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 冷えたら温めるのは漢方の基本

    朝晩は涼しいですが、昼はまだまだ暑いですね。私は午前中長袖白衣で、昼からは半袖にして診察室は冷房を入れています。暑いと仕事の効率が落ちるのでもし寒かったらお許しください。もともと私は冷え性で、カイロをポケットにいれて診察するほどでした。ところが、3年前に韓ドラを見始め、街の韓国料理店にも足しげく通いどんどん激辛料理好きになり、最近ではどんな料理にも唐辛子を入れて食べるようになりました。そのせいかわかりませんが、冷え性は治り、暑がりになりました。

    漢方薬を処方する際にとても気をつけるのが寒熱虚実という概念です。寒証の人に体を冷ます薬を出すと調子が悪くなるのは当たり前。しかし、案外西洋医学はそんな当たり前を無視しています。例えばロキソニン。鎮痛剤として腰痛、頭痛などに幅広く使われますが、風邪を引いたときの熱冷ましとしても使われるように、解熱鎮痛剤は体を冷やす性質があります。漢方を勉強したわたしたちにすれば、寒証の人にはロキソニンは使ってもごく短期。間違っても1ヶ月単位で処方することはありません。風邪のときもさむけがする時は温めるのが基本。しかし、西洋医学では解熱剤で冷やしたり、氷枕などで冷やす(クーリング)が基本ですから、まる反対です。

    最近はインフルエンザが流行ってきました。インフルエンザなど、寒気がする場合が多いので、温めたほうがいいのですが、どうやって温めるか。まず、温かい布団に入る。熱々のおかゆやうどんなどを食べる。葛根湯や麻黄湯という温める風邪薬をお湯に溶いてフーフーしながら飲む。ドライヤーで温風を背中、特に肩甲骨の間から首の付根付近を温める、などがおすすめです。そしてもう一つ大事なのは温めるときに汗をどっとかくほど温めないこと。大量に発汗すると体が冷えるし、疲労感が出ます。わずかに汗ばんだらそれ以上温めすぎないように注意です。

    久木野