むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コロナ後遺症の講演でした

    今日は仕事が終わってから、診察室のパソコンに向かってWEB講演をしました。タイトルはコロナ後遺症の漢方治療です。どこにもコロナ後遺症の治し方を書いた教科書などないので、試行錯誤ですが、はっきり言えるのは西洋薬では限界があるということ。漢方を使うとかなり治せるのですが、それも限界があります。結局の所、ハイブリッド治療に行き着きました。これでたいていの症状に対応できます。

    今日の講演で強調したかったのは、処方を決める際には患者さんのニーズを確認すること、という点です。私たち医者は難しい症例に直面した時、よくわからないけど治せるところだ治しておこうという考えになりがちです。案外それは間違っていなくて、自信を持って治せそうなところからアタックすることで最終的にはなんとかなる事が多いのは事実です。しかし、コロナ後遺症に関して言えば、患者さんの訴えやニーズを詳細に確認し、処方を決めるべきだと思っています。

    講演でも話したのですが、例えばコロナにかかって療養解除となり仕事に行ったけど倦怠感、頭痛、咳、頭が働かないなどの症状でやっぱり仕事は無理、とのことで早退した。翌日からずっと仕事を休んでいる、という患者さんが来ます。どう治療するか悩みますが、答えは患者さんがもっています。どうして仕事に行けないのですか?と確認すること。すると、ある人はきつくてきつくて、といいます。ある人は咳がひどくて周りからも白い目で見られるから仕事できませんと言う。結局私たちは独りよがりで処方を決めるのではなく、患者さんが困っているポイントの核心を狙った治療をしてあげないと解決しないのです。今日はそんな話をいろんな症例を通してお話しました。