むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 物忘れあれこれ

    いよいよ7月です。そして、九州北部はやっと実質上の梅雨入りです。こんなに遅いのは珍しいですね。学校は夏休み前の試験のシーズンです。試験で思い出しましたが、塾に通っていると、学校よりずっと先の方まで習っていて、頭の中は新しいことでいっぱいなのに、学校の試験は塾で何ヶ月も前にやった内容。とっくに忘れている、みたいなことがあって、塾の功罪だなーと思っていました。新しいことを勉強するのはいつもワクワクして楽しいですが、復習は面白くないですね。しかし、同じことを何度も復習しないと記憶は定着しないので、復習こそが大切な勉強だと思います。

    高齢者の記憶が悪いのは不思議とさっき言ったことを覚えていない。逆に50年以上前の出来事は鮮明に思い出す。短期記憶の障害といいます。今朝なにを食べたか思い出さない、昼ごはんを食べたかどうか思い出さないので「ご飯はまだか」とお嫁さんを困らせる。買い物にいって、昨日ケチャップを買ったのに、覚えていなくて今日またケチャップを買ってくる。こんな症状が出てきたら認知症が始まっている可能性が高いです。

    一方、若い世代で、職場のストレスや仕事が忙しすぎて睡眠不足が続いているような場合、記憶があやふやになりがちです。上司に、「あれやっといて」と言われて「はい」と返事をしたのに忘れている。「はい」と返事したのも思い出せない。これは認知症ではありません。頭が飽和してしまっているので、こういうときは現場から一旦離れて休養を取ると復活します。私の場合、このような患者さんにはよく抑肝散と四物湯を出します。頭を休めて、脳に栄養を入れるイメージです。