むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方の次

    世は卒業シーズンです。私の関係する熊本大学医学部の東洋医学研究会というサークルも、今日は追いコンでした。みんな漢方好きで大学の勉強以外に独自に東洋医学を学んだ人たちです。将来が楽しみです。

    贈る言葉を求められましたので、一言挨拶をしたのですが、「漢方の次」の話をしました。西洋医学でどうしようもない難しい症例を漢方で考えれば案外簡単に解決することは日々経験します。私みたいに開業していると、漢方で治せることは大きなメリットです。診断がつかないような難病でも、漢方的な理論で考えれば治療方針は立ちますからなんとか患者さんのためにしてあげられます。ところが、最近、私のところに来る患者さんの多くは当院受診前に他のクリニックでハイレベルの漢方治療を受けています。その治療でうまく治らなかったから来ました、という症例には漢方では打つ手がありません。

    そこで私が次の手として実践しているのが分子栄養学です。症状や採血データから不足している栄養を想定します。大抵の場合、ビタミンA,B,C,D,E,Kと電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄)などです。日頃の食生活の偏りから栄養が不足して病気になっている人が大勢います。現代版栄養失調です。これらの診療では、たいてい保険薬でなく市販のサプリ(例えばDHCのビタミン剤)を使うため、クリニックの経営としては全く利益になりませんが、患者さんのためにそのほうがいいと思えば、どんどん推奨しています。「漢方の次」は「分子栄養学」です。