むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • Cell Biology (細胞生物学)

    クリスマスですね。連休はいかがおすごしですか?クリニックは年末ということもあり連日忙しかったのですが、この週末でちょっと一息です。普段できなかったことをしています。今日は、読みかけだった本を読み終わりました。福岡伸一氏の著書で「生物と無生物のあいだ」というタイトルです。生物が単なる物質と頃なるのは、自己複製できること。そのキーを担っているのが遺伝子であり、その本体はDNAだとわかっています。この本では、DNAの構造が二重らせんだったという世紀の大発見に至る過程からその遺伝情報が私たちの体をどう形作っているかということを丁寧に解説したものです。

    私の医学部受験の際の理科の入試科目は物理と化学でした。なんと医学を学ぶのに、高校で生物を勉強せずに入学しているのです。生物を選択して入試を受けている人もいたと思いますが、多くの人は大学で初めて生物を習います。私は大学合格の通知をもらってから、あわてて高校の「チャート式生物」という参考書を読み、独学しました。高校生物の半分は植物ですから、そこは読み飛ばしました。大学の2年生になりCell Biology(細胞生物学)という電話帳ほどある英語のテキストで授業があり、とても感激しました。生物の生物たる仕組みを細胞レベル、分子レベルで学ぶ機会を得たからです。思い返せば、それは平成が始まる直前でした。

    それから30年たち、遺伝子工学の技術は劇的な進歩を遂げ、iPS細胞の分野では進化が止まりません。この本を読んで確信したのはいかに食べ物が大切かということです。私たちの体は同じ体のように見えても絶えず新陳代謝しています。毎日新しいアミノ酸や脂質が体内に入り、体内の組織と置き換わっています。たとえば今生えている髪の毛は、ヘアスタイルは同じでも去年生えていた髪とは全く異なります。同じことは体全体に言えるのです。忙しさにかまけてパンやおにぎりしか食べなかったら体はどんどん衰えます。体はタンパク質と脂肪からできています。良質のタンパク質と脂質を取り続けることが大切です。