むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 落ち葉を掃きながら考えた

    台風一過でいい天気になりました。クリニック前の歩道には街路樹があるのですが、台風の影響で落ち葉がすごいだろうということはわざわざ見なくても予想がつきました。そこで今朝は6時半からクリニックに出勤しました。さっそくほうき、ちりとり、ビニール袋を持って外に出たところ、ご近所のMさんが落ち葉をかき集めてくれていました。それにしてもズゴイ量です。挨拶もそこそこ私も落ち葉掃きに加わりました。クリニック前は多分70mくらい道路に面していると思いますが、1ブロック掃除するのに二人がかりで1時間はかかりました。

    いつも落ち葉の掃除をしていて考えるのが京都の料亭やお寺の話です。一度完璧に掃除して、そのあと色形の鮮やかで綺麗な落ち葉を自然な感じに撒くというもの。撒くというより生け花のような感じで玄関を彩るディスプレイでしょう。風流ですね。

    このように、完璧に綺麗すぎるのは逆に不自然。そこで、手を抜くわけでなく、計算づくで手を抜いたように見せるテクニック。真似したいものです。ここで思い出すのは、大学院生の頃に論文を書くテクニックです。実験データから完璧な論文を目指して書くわけですが、それを投稿すると、レフリー(医学雑誌の審査員)からはとても無理難題を押し付けられて、それを解決しないと掲載しないと言われます。それを避けるには、完璧と思って書いた論文から、わざとデータ(図表など)を一つ削って、惜しいもう一歩!という論文に仕上げて投稿するのです。するとレフリーは、当然プロですから、そのデータを出せ、と言ってきます。そこで、待ってましたとばかりに、準備していたデータを送って完璧な形に仕上げてめでたく掲載されるというわけです。論文を書くときのテクニックが落ち葉を掃除するのと同じなのです。100%全力を出し切っても正当に評価されないとき、手を抜くのではなく110%働いて90%に見せかけるという高等テクニックです。会社でも通用すると思いますよ!