むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 栄養指導は時代についていっていない

    月曜日は夕方健康番組があるので欠かさず見るようにしています。今日はクロちゃんが2型糖尿病ということで教育入院する話があっていました。教育入院とは、食生活や運動療法、インスリンの打ち方などを指導し、自分の病気についてしっかり知って自分で管理できるようにするものです。番組で気になったのは、教育入院中の食事です。どんぶりご飯200gを食べさせていました。これには私は反対です。糖尿病は血糖を上げる炭水化物をまず制限することです。食事の総カロリーをきびしく制限すると、栄養不足になってしまいます。肉や野菜をしっかり食べないとビタミンやミネラルが十分取れません。総カロリーを制限することは2の次3の次です。最も大切なのは炭水化物制限です。どんぶりご飯を食べなければ、同じカロリーでももっと大量のおかずを食べることができます。

    食べた炭水化物はビタミンB1が十分ないとクエン酸サイクルで燃焼せず、解糖系で少量のエネルギー(2ATP)産生したあとは中性脂肪に変換されて体に蓄積されます。B1は玄米や肉をしっかり食べないととれません。白米をどんぶりいっぱい食べると、その代謝にB1を消費するためますすB1欠乏状態となります。疲れた体にアリナミンというCMはご存知と思いますが、アリナミンというのはビタミンB1です。B1を補給すると解糖系からクエン酸サイクルへブドウ糖は代謝され、大量のエネルギー(32ATP)が産生されます。元気になるはずです。ここで注意してほしいのはアリナミンには錠剤とドリンクがあるということです。ドリンクは甘い味をつけるために余計な糖分を含みますから、どうせなら糖を含まない錠剤がいいと思います。

    この様に、病院の栄養指導は未だに炭水化物を主食としてカロリー配分しています。遅れています。今は炭水化物ダイエットが主流ですが教科書的にはまだまだ時代がついてきていません。もう一つはビタミン欠乏です。医療保険ではビタミン剤を処方すると査定されるので、ほとんど医師はビタミン剤を処方しません。ビタミンが必要ないというわけでなく、出したくても出せないのです。患者さんはきちんと勉強して、必要な栄養素はサプリでもかってほしいと思っています。詳しくはいつでもご相談下さい。