むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 不定愁訴は難しい

    5月の連休明けに当院近くに「やまのかみ眼科」がオープンします。今日は内覧会があっていたので、昼から挨拶に行ってきました。私の見ている患者さんの中にも近くに眼科ができるのを心待ちにしている方がおられます。最近この地域は新しい病院が次々とたってきました。住民の方にとっては喜ばしいことと思います。わたしども東区医師会のみんなで連携しながら、地域住民の皆さんの健康にお役に立てたらと思います。

    夕方からは、東方医学研修会というセミナーで、私が当番で講演しました。今回のテーマは不定愁訴です。不定愁訴と言うのは、我々診療をする側にとっては手ごわい患者さんです。問診票に「どうしましたか」という欄を見ると、「頭が痛い、動悸がする、吐き気がする、眠れない、イライラする、食欲がない、疲れがとれない」などぎっしり書いてあります。通常の内科なら「頭痛」とか「熱が出た」と言う感じで訴えは一つ、たまに2-3個です。しかし私のクリニックのように漢方や心療内科を標榜していると、他の病院にかかっても治らなかった難しい症例や、訴えが多すぎて「脳神経外科」「消化器内科」「産婦人科」などなど、どの診療科にかかっていいかわからないで困っている方が来られます。

    このような多彩な訴えを一つずつ採血、心電図、レントゲン、胃カメラ、CTなどと検査をしていてはお金も時間も相当かかります。そして、調べた結果何もよくわからなかった、ということになるか、胃が少し荒れているから胃薬、血圧が高かったので血圧の薬、など本来の訴えと関係ない治療がとりあえず追加される場合もあります。このような手強い不定愁訴をいかに病態把握して治療するかを講演してきました。