むらかみ内科クリニック

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  • 若い脳梗塞に注意

    このところ、40歳代での脳梗塞が立て続けにありました。普通、脳梗塞といえば、高齢者に多い疾患です。働き盛りの40歳代で起こすのは珍しいし、もし運動麻痺が残るようなら大変です。人生の後半が不自由します。若くして脳梗塞を起こした原因はよくわかっていません。高齢の場合、通常は心房細動、高血圧、糖尿病などが基礎疾患にあります。血栓を起こしやすい状態にあるのです。若い人の場合、先天性の脳動静脈奇形、心臓に卵円孔という穴が開存している、先天性の血液疾患(凝固異常症)などが関連していることが多いですが、今回当院で見た患者さんたちはそういう先天的な原因はありませんでした。ストレスや脱水でも血液がどろどろになりますから、何かあったに違いありません。

    血液をサラサラにするにはまず脱水の予防です。ただ、昔は寝る前に水を飲めばいいと言っていましたが、それは予防効果が証明されず、最近はあまり言わなくなりました。食べ物では、魚の油がいいです。イワシやサーモンなど脂ののった魚は血液をサラサラにします。魚やオットセイなどしか食べないエスキモーにはほとんど脳梗塞がいないことが知られています。

    脳梗塞は早く診断して治療すれば後遺症は残りませんが、遅れれば遅れるほど後遺症が残ってしまいます。手足が麻痺した、ろれつが回らない、激しい頭痛、など通常でない様子を見た時は「ひと晩様子を見る」ようなことはせず、一刻も早く受診して下さい。当院にはMRIはありませんが、怪しいと思ったらすぐに日赤に紹介します。どうしよう、しばらく様子を見てみよう、などと迷うことなく、1分でも早くご相談下さい。

    上江津湖