むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • あれから7年

    東北の大震災からもうすぐ7年です。時が経つのは本当に早いものです。とは言え、東北の復興は道半ばであり、熊本も同じです。遅々として何も進んでいないように見えますが、実は確実に進んでいます。ブルーシートはほとんどなくなり、あたりは解体も終わって更地や空き地が目立ちます。そして、そのようなところに新しい家が建ったり、区画整理をし直して分譲されたりしています。確かに時は進んでいます。

    春のこの時期になると、東北の震災のことや熊本地震のことを思い出さずにはいられません。それは誰にでも起こることです。しかし、それを思い出して、不安が増したり、気分が落ち込むようなら困ったことです。精神科の領域では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼びます。このPTSDをどう治すか、難しい問題です。ネットで調べると、カウンセリングや催眠療法と書いてありますが、私にはそのようなテクニックはありません。一つアドバイスをするなら、地震で失ったもの、できなくなったことなどマイナスのことを数えないことです。そのかわり、思いがけず手に入れたこと、できるようになったことなどプラスについて考えましょう。引っ越したこと、家をリフォームしたこと、仕事を変わったことなど震災後いろいろあるでしょうが、見方を変えればこれらはすべてプラスのことです。

    また、私の場合、PTSDには安定剤や漢方薬を使います。漢方では、PTSDに神田橋処方という特殊な処方があります。鹿児島の有名な神田橋先生が考え出した処方です。なぜこの処方がPTSDに効くのかの説明がないのですが、経験的に非常に有効とされています。私も、それを参考に時々この処方を使います。