むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ワーファリンと新しい抗凝固薬

    脳梗塞や心臓病でワーファリンを飲んでいる方も多いと思います。ワーファリンは血液サラサラの薬として有名ですが、アスピリン(バイアスピリン)とは違います。ワーファリンは納豆や青汁などを取らないよう制限しますが、アスピリンは関係ありません。

    そのワーファリンですが、一日1錠(1mg)くらいから5−6錠くらいまで必要量は人それぞれです。その人の体格や食生活、肝機能の違いなどからかなり差があります。少なければいいという問題ではないので注意が必要です。ワーファリンを使う際にはPT-INRという血液検査をしてその数値に基づいて投与量を決めます。心房細動の患者さんではPT-INRが1.6から2.5に入るように調整します。心臓の弁置換術後の場合2から3くらいにします。効き足りない(INRが1.5以下)と脳梗塞のリスクが高まりますし、効きすぎ(INRが3以上)だと脳出血の危険性が高くなるのです。

    当院では、耳たぶから少量の採血でPT-INRが測定できる迅速測定器を準備していますので、耳たぶをちょっと穿刺して1滴採血するとすぐその場で結果がわかります。その数値により、処方量を増減しますので、安全で確実な脳梗塞予防効果が期待できます。

    心房細動でワーファリンを飲んでいる方の場合、新しいタイプの抗凝固薬があります。イグザレルトやエリキュースという薬です。それはワーファリンではありませんので納豆などの食事制限がありません。さらにいいことに、PT-INRを毎回測定する必要がないので、一度投与量を決めたらほとんどはそのままの量を継続すればいいのです。当院では患者さんの食事や採血の負担をできるだけ軽くできるように問題がなければ新薬の方をおすすめしています。