むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • インフルエンザの治療あれこれ

    インフルエンザが随分増えてきました。週末から月曜にかけて寒くなりそうなので、注意が必要です。

    さて、インフルエンザにかかったら、どんな治療があるかご存知でしょうか?有名なのはタミフルです。この薬が出た時は画期的でした。もともとウイルス性の感染症ではヘルペス以外にこれといった治療薬が存在しなかったのが、突然治療できるようになったからです。タミフルは、中華料理に使う八角というスパイスから作った薬ですが、八角の入った料理(例えば豚の角煮など)を食べても効果はないそうです。タミフルは治療だけでなく、予防投与も認められているので、家族がかかった時などに自分はどうしてもかかったら困る、という場合にはタミフルを最大10日間服用することができます。10代の子供がタミフルを飲んだあとで突然道に飛び出したり建物から飛び降りようとしたりという異常行動が出たため、10代の子供には使わないことになっています。

    それに続いて出てきたのが、吸入タイプの治療薬です。リレンザとかイナビルとかがあります。吸入ですから肺に直接作用し、全身の副作用も少ないと思われるため、私は吸入タイプを中心に処方しています。きちんと肺の奥まで吸い込むことが大事ですので、子供やお年寄りで肺活量がなく十分吸い込めないような場合はお勧めできません。

    さらに、最近では点滴で治すインフルエンザ治療薬があります。一回の点滴で治療は終了します。高齢者で基礎疾患があってインフルエンザが重症化しやすい場合などに用います。

    私は漢方で治療することが好きなので、漢方を多用しますが、インフルエンザには麻黄湯という処方が奏功します。タミフルと同等の効果が証明されています。副作用が少なく、安全です。さらに、抗ウイルス薬でないので、免疫力がつき、後々インフルエンザに対して体が強くなります。抗インフルエンザ薬で治療すると免疫がしっかりつきませんので、なんどもかかったりします。私としては漢方だけで治せるようならそうしたいと思っています。どうせ学校は5日間は休む規則になっているので、漢方で直しても間に合うわけです。そのような治療もあることを知っておくと、いろんなオプションがあっていいと思います。治療法は医療サイドが提案しますが、選択権は患者さんにもあると思います。希望があれば、遠慮なく言ってもらうといいかと思います。