むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 動脈硬化と血管年齢

    コレステロールが高い状態が長く続くと、次第に血管が硬くなってきます。これが動脈硬化です。動脈硬化が進行すると、血管の内腔が狭くなり、血流が悪くなります。それがどの臓器で起こるかによって様々な症状を引き起こします。たとえば脳でおこれば、脳梗塞、心臓で起これば狭心症や心筋梗塞です。いずれも、一旦なってしまえば、非常に重篤で取り返しがつかないような病状になります。

    採血ではコレステロールの数値などはでますが、血管がどのくらい硬くなっているかはわかりません。それを検査する機械が血圧脈波検査装置(いわゆるABI)といわれるものです。この機械は、両手両足計4カ所の血圧脈波を計測することで、全身の血管の硬さを知ることができるものです。10分ほどで簡単に計測できます。この機械では、患者さんの血管の硬さから逆算して血管年齢というものを算出できます。時々、若いのに血管年齢が80歳などと言われてショックを受ける方もあります。糖やコレステロールが高い方などは動脈硬化が通常より早く進みますので、定期的にこの検査を受けることをお勧めします。

    もし、血管年齢が実際の年齢より非常に高かった場合の対処法をお教えしましょう。まず、高血圧、糖尿病、高コレステロールなどがあれば、徹底して血圧、糖と脂質の治療を行います。きちんと食事を気をつけて、甘いものや油ものは食べ過ぎないようにします。さらに、肥満にならないように定期的な運動を心がけます。カロリー消費、脂肪燃焼には早足のウォーキングがお勧めです。1日30分以上歩きましょう。もう一つ、血管を柔らかくするにはストレッチがお勧めです。ストレッチすることで、体の血管を引っ張りますので、伸び縮みさせることで従来のしなやかさが戻ってきます。

    それでも数値が高い場合には、きちんと処方された血圧、血糖やコレステロールを下げる治療薬を使って治療しましょう。当クリニックでは、治療しなかった場合ときちんと治療した場合の今後10年の心血管リスク(死亡の確率)を数値でお示しします。

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