むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コロナ後遺症

    当院ではコロナ後遺症に正面から取り組んでいます。単に咳止めや解熱剤を出すだけではなく、コロナ感染で体質がおかしくなってしまったところを漢方的に判断し、気血水や陰陽虚実のバランスを取ることで治療しています。例えば、咳が続くときは気道の炎症の有無を見ます。次に痰の出具合を確認します。それから咳が出やすい時間帯を聴きます。そういう情報から肺陰虚とか気逆などの状態を判断して、処方が決まります。倦怠感が強い症例では気虚と判断することが多いのですが、食欲があるかどうかとか、倦怠感がどのくらい長く続いているか、よく眠れているか、火照りはないかなどいろいろな情報から処方を決めます。コロナ後遺症は通常の風邪の後の症状と比べて難治例が多いため、使う漢方の量もおのずと多くなります。子供さんも後遺症に悩む症例がありますが、漢方を飲めるようならなんとか対応できます。漢方は飲めないと言われると、私にもうつ手がありません。

    一方、コロナワクチン後遺症の症例も時々来られます。これは、ほとんどの場合よくわからないということで見てもらえなかったり、検査をしても異常がないから治療法はない、といわれたりでみなさん困っておられます。私も、通常のコロナ罹患後症状に比べるとワクチン後遺症は手強いものが多いです。ハッキリ言ってどう治療していいかわからないです。しかし、遠方から藁をもすがる思いで来院されるので、必死に病態を考え、治療法を検討しています。

    治療法を検討するのは私の使命だと思って頑張っているのですが、ワクチン後遺症の場合、何らかの救済策がないと仕事もできず学校もいけず、医療費も補助がないという状況です。これは私にはどうしようも出来ないので、大学病院や保健所、あるいは議員さんなどの力を借りて何かいい方法がないか考えていただきたいものです。

  • 充実した休日の過ごしかた

    秋分の日でした。九州は先日の台風一過でだいぶ涼しくなりましたが、いよいよこれからが秋本番となります。人によっては3連休の方もおられると思いますが、いかがお過ごしでしょうか。私は金曜日は訪問診療があったので休みではなかったのですが、外来診療はお休みでしたので、少しいつもとは違ったスケジュールで動いてみました。 まず、朝いつもより早起きして6時に始まる経営者モーニングセミナーに参加しました。今日の講演は日常の小さな気遣いをすることで、クオリティーの高いサービスを提供することができるようになると言う内容でした。例えば会場で拍手をする時、演者に感謝の心を込めて拍手をするか、ただなんとなく拍手をするかでは 会場の雰囲気にも大きな差が出てきます。日ごろのドアの開け閉めの気遣いや運転中に人に道を譲ることなど、小さい気遣いを出来るように生活習慣を作っていけばおのずと人に素晴らしいサービスを提供できるようになると言うことです。会社で「お客さんのために 尽くす」と言う社訓を持っているところは多いかと思いますが、日ごろから小さい気配りをコツコツとできないと、ちゃんとしたサービスはできないのだと言うことを知らされました。大変気づきの大きい講演を聞き勉強になりました。

    セミナー終了後にクリニックに出勤し、今日の訪問診療の患者さんのカルテを全て揃えました。訪問診療はいつも昼休み時間に行っているため、それまでまだ2−3時間余裕がありました。そこで時間を有効活用しようと思い、スポーツジムに行きました。 いつものようにランニングマシンで走っていると、訪問看護ステーションから患者さんの容体の連絡が次々入ってきます。仕方ないのでランニングを中断しつつ電話に受け答えしながらも何とか5キロ走り終りました。

    急いで温泉で汗を流しクリニックに戻るとちょうど訪問診療に出かける時間となりました。 20名の訪問診療を終え、何かおいしいものでも買おうかと思って新大江(水前寺駅通)にあるフーディーワンに行ってみたところ、えらく混雑していました。なんだろうと思ったら、ちょうど今日がリニューアルオープンの日でした。中を見てみると店にはカルディーの 品揃えにに似た韓国料理やタイ料理その他のいろんな食材が揃っていました。値段もいつもよりずいぶん安くなっていたためいろいろ買って帰りました。明日24(土)は通常通りの診療です。土曜日はいつも混み合うので朝から気合を入れて万全の体制で臨みます。

  • まず足元をかためよう

    今週は連休に挟まれた形で平日が中3日となっています。その結果、毎日100名を超す患者さんで大変混み合いました。できるだけ待ち時間が長くならないように工夫しているのですが難しい症例もありますのでどうしても時間がかかってしまいます。お忙しい中お待ちいただきましてありがとうございます。 さて、だいぶコロナの発生患者数は少なくなってきました。国の方針でコロナ患者さんの全例報告は近々終了となり今後は高齢者や重症者のみの報告となります。私たちの報告書作成にかかる手間はずいぶん省けて楽になることと思います。 今みたいに患者さん数が減ってからではなくいちばん忙しかった時に手続きを簡素化してもらえたら助かったのですがそれは仕方ありません。

    さて、また連休になりますが、当院は24日土曜日は通常通り午前中の診療があります。巷は3連休かもしれませんが、お間違いなく。実は金曜日も祝日ですが訪問診療は通常通りなので、私は出勤します。20名近い患者さんのいる老人ホームを回ります。カルテの準備だけでも結構時間がかかります。最近は外来患者さんに追われているので、私一人でできるのは目の前にいる患者さんの治療だけです。その他たくさんの事務的な作業や老人ホーム、訪問看護ステーションなどとのやり取りは全部スタッフがやってくれています。ほんとに感謝しかありません。

    よく、世のためとか国のためとか大きなことを言う人が、家族のことをないがしろにして、奥さんや子供に寂しい思いをさせている事例はたくさんあります。しかし、家族も幸せにできない人が世の中や国を変えることはできるはずない。同じことですが、職場のスタッフのみんなを幸せにできないのにお客さん(患者さん)を幸せにできるはずはない。まず自分の足元を固めることが大切です。

    大豆ミートで作った麻婆なすと既製の大豆ミートシュウマイ(冷凍食品)

    ほとんどひき肉を使ったものと同じ味です 十分おいしい!

  • 唾液は口の免疫バリア

    かかりつけの患者さんでとても博学で毎回来院されると面白い情報をいただく方がいるのですが、今日は唾液の話をされました。週刊新潮の9月16日号に「天然の万能薬 唾液力の鍛え方」という記事があり、とても面白いと教えていただきました。早速読んでみましたが、納得の内容です。唾液は食べ物ー特に炭水化物ーをアミラーゼという酵素で消化するのが大きな役割ですが、当然口から入ってくる最近やウイルスに対する免疫としての働きがあります。その立役者はIgAという免疫グロブリンです。したがって、唾液の分泌が悪いと感染症にかかりやすくなるというわけです。

    記事によると、唾液を増やすには1に口の運動、2に活性酸素による唾液腺へのダメージを防ぐ(抗酸化作用の高い食材を取る)、3に水分を取り脱水を予防する、などがあげられています。私の日頃やっている分子栄養学的にはビタミンAとCが唾液には重要です。私は以前マラソン好きで毎日10km走っていましたが、ときに口の中がカラカラになり、びっくりするほどネバネバの唾液が口の中に引っかかる事がありました。実は唾液を作るのは耳下腺(おたふく風邪で腫れるところ)と、舌下腺、顎下腺の3つがあり、耳下腺は漿液腺といって消化液を多く含むサラサラ唾液、そして舌下腺は粘液腺でネバネバ唾液を産生して口腔粘膜のバリアに役立っているそうです。私にこの記事を教えてくれたIさんは常にガムを噛んで唾液を出すようにしているとのこと。たいへん理にかなっているので私も真似しています。

    さて、このように急に週刊誌を読みたくなった時、皆さんどうしますか?本屋に走りますか?私は楽天マガジンというアプリを使っています。毎月500円くらいで大抵の雑誌は全部読み放題です。携帯では小さくて読めないと思いますがiPadくらいのサイズなら全く問題ありません。バックナンバーも全部読み放題。docomoにも似たサービスがあります。雑誌を毎月1−2冊買うならこちら電子媒体のほうがお得だし気に入った記事はスクリーンショットで保存すれば場所もとりませんよ。

  • 皮下出血(あざ)にはコラーゲンとビタミンC

    台風が通り過ぎて、一気に季節が進んだ感じがします。朝は肌寒いくらいの涼しさでした。日中はカラッとした清々しい秋晴れの一日となりました。熊本は春と秋がほとんどなくて夏と冬しかないと言われますが、今日みたいな快適な秋の日が少しでも長く感じれれるとうれしいです。新聞によると、新型コロナの患者数もかなり減ってきています。代わりに、秋のアレルギー性鼻炎が増えてきています。これからは鼻や喉の症状があってもただの花粉症で済ませられるかもしれません。落ち着いてきてよかったです。窓を開けて寝ると風邪ひきそうです。季節の変わり目は体調もついていけなくなりますから、十分注意しましょう。

    以前も書いたことですが、アザができやすいと相談がありましたので、もう一度書いておきたいと思います。ぶつけた覚えもないのに皮下出血してあざになる、という場合、たいていは単純性紫斑といいます。若い女性に多いのですが、血管が弱くなっている結果です。血管はコラーゲンでできているのですが、コラーゲンはタンパク質です。肉や魚を煮たあと、汁がゼラチン状に固まりますが、そのゼラチンがコラーゲンです。残さず食べましょう。豚足もコラーゲンたっぷりです。そして、食べたコラーゲンは消化管で分解されてアミノ酸になりますが腸から吸収されたアミノ酸がもう一度コラーゲンに再編される際にビタミンCが必要です。また、ビタミンCは電子の受け渡しをしたら使い捨てになりますが、ビタミンEがリサイクルしてくれます。そこで、アザができやすい人は肉や魚などの蛋白を取ること、そして、ビタミンC, Eを取ることをおすすめしています。

    コラーゲンは楽天でお魚コラーゲンと言う商品があり、1000円程度で買えます。毎日肉や魚をどう食べようかと悩まなくてもコラーゲンをスプーン1杯お茶や味噌汁などに溶かして飲めば簡単です。同じ理屈ですが、女性の月経過多で困っている場合もコラーゲンとビタミンC,Eをおすすめします。結構出血が軽くなります。

    去年の今頃撮りました そろそろ咲いているでしょうか 萌の里にて