むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • インフルエンザ急増中

    つい先日まで1週間に数名しかでていませんでしたが、今日の休日当番医では100名ほどの来院で風邪(インフルエンザ疑い)が80名、うちインフルエンザA確定が50名くらいでした。急増しています。家族で誰かがかかると、親兄弟もみんなかかっています。年末にかけて増えていくと思います。ご注意ください。

    これほど忙しくなるとは予想していませんでした。今回は20年以上前からの知り合いで大学院時代の元同僚の検査技師さんに応援を頼みました。おかげで看護師さんたちスタッフはそれぞれの仕事ができてよかったのではないかと思います。検査が早いと、診察から会計までいっきにいきます。ほんの数分です。今回わかったのは、当番医では新患が多いので、カルテ作成(保険証の情報を電子カルテに入力する)がもっとも大変だということです。事務員だけでは手に負えないので、他のスタッフにも入力できるように受付の勉強ができたらもっと違ったかもしれません。

    通常当院は小児は見ていないのですが、当番医ともなると小学生も大勢来ます。小学生のインフルエンザは難しいです。タミフルなどの抗インフルエンザ薬は異常行動の副作用が報道されています。因果関係ははっきりしないといいますが、注意が必要です。私の得意な漢方を出そうにも、子供は飲んでくれないことが多いのであまり出せません。今はインフルエンザの薬や診断キットがあって医療が進歩しているように思えますが、インフルエンザの流行や学級閉鎖などは私が子供の頃と全然変わらない気がします。多分、インフルエンザの診断キットもタミフルも莫大な医療費の浪費に貢献しているだけのような気がしてなりません。それから、昔はもっとおおらかでしたが、最近はインフルエンザに対して皆ヒステリックです。検査や治療薬はほとんどなんの役にも立たないのにどうして欲しがるんだろうと思います。普通の体力がある場合、葛根湯を飲んで寝てればいいのです。

     

  • 認知症対策あれこれ

    物忘れが気になるとか、頭の回転が悪くなったと言って来院される方が大勢います。本物のアルツハイマーならあまり病識がないので、物忘れをしてもたいして気にすることはありません。忘れたことを気にしている事自体アルツハイマーではないということです。しかし、もしかすると認知症のごく早期であるという可能性はあります。よく、心配だから検査に来ましたと言われますが、私たちがする検査はかんたんな記憶テストみたいなものです。野菜の名前を10個言ってもらうとか、100から7を引く引き算などのテストです。このテストは何度かやっていると学習効果で点数が上がってしまうため、練習しては正しい点数が付きません。

    それともかく、こんなかんたんな検査で認知症の初期段階を捉えることはできません。もちろんCTやMRIでも何もないことがほとんどです。では、放っておくしかないのか?それは違います。認知症対策は早ければ早いほどよいと思います。ただ、若い人で、会社のストレスや時間外労働が多すぎて疲労困憊しているとか不眠症でいつもボーとしているなどは認知症ではありませんから、まずは休息すること、眠剤を使ってでも熟睡して頭を休めることが先決です。

    そのようなストレスや過重労働など関係なしにボケてきた気がする場合、脳に良いことを可能な限りたくさんするべきです。何か一つ(たとえば認知症の治療薬のアリセプトを飲む)ではほとんど意味はありません。脳の血流を良くすること、動脈硬化を抑えること。コレステロール、血圧、血糖をきちんとコントロールすること。タバコは吸わない。お酒は程々にする、デパスやソラナックスなどの安定剤は使わない、などは基本中の基本。頭に良いサプリとしてビタミンB,C,E,ナイアシン、レシチン、DHA/EPA,イチョウ葉エキスなど。頭のエネルギー源として、ケトン体がいいので、糖質制限しながらココナッツオイルやバターをとること。鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルは積極的にとること、アルミニウム、鉛、ヒ素などを避けること。そして、本を読んだり歌を歌ったり積極的に遊ぶこと。趣味を持つことです。一日こたつでテレビを見て過ごすなんて、認知症まっしぐらです。認知症は一筋縄ではいきませんが、できうる対策を一つでも多く早くから対策することが大切です。

  • 不眠にナイトレストというサプリがいいらしい

    不眠で悩んでいる方はたくさんいます。以前なら、眠れないならマイスリーとかデパスとか、気軽に睡眠薬や安定剤をもらっていたと思います。ところが、最近はベンゾジアゼピンという種類の安定剤の処方は習慣性の問題、認知症を助長する問題、転倒リスクを増大する問題などからできるだけ控えるようにと言われています。多くの内科系のかかりつけの先生からは、これらの処方を完全に中止して、眠れないなら心療内科か精神科にかかるようにと言われています。そういう患者さんが、当院にもたくさん来院されますが、なかなか今まで飲んでいた睡眠薬や安定剤を止めることはできません。仕方ないので、同処方を継続するケースも多々あります。

    一方、睡眠薬や安定剤の代わりに推奨されているのが、ベルソムラ、ロゼレムという2つの眠剤です。どちらも生理的物質に近いため、習慣性が低く中止するときに禁断症状が出にくいのが特徴です。しかし、使ってみるとなかなか患者さんは満足いく睡眠をえられません。やっぱりデパスをくれと言われます。そこで、これらの処方についで推奨されているのが、デジレルやレメロンという抗うつ剤です。眠くなる副作用を利用したものですが、比較的安全で習慣性が低いと言われます。私もよくこれらの抗うつ剤を処方しています。

    今日、患者さんが教えてくれたすごいサプリがありました。アメリカの睡眠系のサプリでナイトレストという名前です。iHerbで買えます。この患者さんは、レンドルミンという結構強い睡眠薬を使っていたのに、ナイトレストを飲み始めたらレンドルミンが要らなくなったそうです。成分は、メラトニンという睡眠に関する脳内ホルモン(ロゼレムに近い)といくつかのハーブの合剤です。安全性を考えると結構良いサプリだと思いますよ。参考まで: https://jp.iherb.com/pr/source-naturals-nightrest-with-melatonin-100-tablets/1358

  • 講演のプロ=鴨頭嘉人

    木曜日、仕事の後に高血圧ガイドライン2019の解説の講演があると聞いて、参加しました。来ていたのは循環器を専門とする人たちです。私は、以前は高血圧ガイドラインをきちんと読んでいましたが、このところ読む気がしません。なぜかというと、改定のたびに血圧管理目標がコロコロ変わるのです。もっと下げましょうと言ったかと思うと、次の版では下げすぎに注意、みたいにまるで違うことが書いてあるのです。本来、ガイドラインというのは治療の大筋間違っていないことを書くべきで、改定のたびに違う目標が設定されるのなら、未完成もいいところです。真面目に従う意味はありません。とはいえ、改定されたポイントを知っておくのは専門家として必要なので、講演を聞きに行ったわけです。

    結果、やはり大した内容でもなく、時間は無駄でした。私は漢方関係で講演を頼まれることがあるのですが、いつもせっかく貴重な時間をさいて聞いてもらうからには、なにか有益な情報を盛り込まないと、と必死でスライドを作ります。自分では、大学にいた頃から講演職人だと自負していました。ところが、最近は忙しすぎて年間で講演を引き受けるのはわずか2−3回です。

    きのう、YouTubeを見ていたら、番組の途中でCMが入りました。いつもくだらないCMばかりなので3秒で広告をスキップのボタンを押しますが、驚いたことに、割り込んできたCMが面白すぎて、それまで見ていた番組を忘れてCMを最後まで見て、チャンネル登録までしてしまいました。そのすごいコンテンツが、鴨頭(かもがしら)という人の講演です。迫力と内容の面白さに見入ってしまいました。元マクドナルド店長という肩書ですが、プロの講演家です。ぜひ見てください。なにか得るところがあると思いますよ。参考まで→ https://www.youtube.com/watch?v=_5q0zZu_C_0

     

    博多駅前

  • 今度の日曜は当番医です

    12月15日(日)は休日当番医です。まだインフルエンザは大流行とはいきませんが、先週くらいからちょくちょく見られるようになってきました。どちらかというと胃腸炎のほうが多いように思います。今度の当番医(内科系)は、リストを見ると東区は当院だけのようなので、十分診療体制を整えておきたいと思います。今回は当院開院以来初めて臨床検査技師さんを臨時で雇います。当番医には採血やインフルエンザの検査などがとても多くなるので、検査専門のスタッフがいると心強いと思います。

    日本の会社はエクスパート(専門家)よりも総合職(なんでも屋さん)が重宝されます。せっかくある分野で専門知識やスキルを手に入れても、数年で配置換えや転勤となり違う職種に回されます。その結果、同じ会社に長く務めると一通りのことは何でもできるマルチな人材となります。しかし、これはアメリカなどでは全く評価されません。アメリカでは専門を究めることこそ素晴らしいことと考えられ、給料も上がります。例えば、事務職が掃除もするとか、看護師が検査技師の仕事もするというのはアメリカではありえません。そして、労働生産性はG7の中で日本は最下位となってしまっています。

    日本は労働人口の減少でどの職場も極端な人手不足です。少人数なので一人あたりに期待される仕事量は多いし、マルチタスクを強いられます。「それは私の専門でないのでできません」とは言いづらく、何でもさせられるわけです。こういった職場環境は今後も人口が減り続けるので、解消されるとは思えません。ただ、アメリカのように専門職に専門性を極めた仕事をしてもらったほうが生産性が上がることは明らかなので、できるだけスタッフの数を増やしてそれぞれの専門に専念してもらうことこそ真の働き方改革だと思っています。