むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 西洋医学を補完することがライフワーク

    月曜日は熊大の東洋医学研究会(漢方サークル)の忘年会でした。先週まで当院で実習していた学生さんもこのサークル所属なので、当院での経験をみんなに語ってくれました。あまり教える暇はなかったのですが、とても刺激になった、勉強になったとのことでした。来年もサークルメンバーが実習に来たいといってくれています。ありがたいことです。自分の子供と同じくらいの年の学生さんたちと話していて、自分が今の診療スタイルになった経緯を改めて考え直すいい機会となりました。

    私は、大学卒業後第2内科という一般内科に入局しました。専門は血液内科だったので、白血病などの重症患者さんが多いところでした。当時の最先端の抗癌剤治療などいくら頑張っても良くならないのですが、漢方を併用すると元気になってくれました。もともと漢方をしたくて医者になったのですが、最初に漢方を使う機会を得たのが第2内科でした。結局、最先端の西洋医学をもってもなおせない病態(元気が出ない、食欲が出ないなど)を漢方は治せたわけです。

    私は、漢方と西洋医学で内科系のかなりの患者さんを治せるようになったのですが、それでも治せない患者さんがいます。それが心療内科の領域です。ストレスや精神的な理由で体調不良となる場合、内科的なアプローチでは治療困難です。漢方を使うとかなりのところまで対応できるのですが、抗うつ剤には及びません。抗うつ薬を自由につかいだして、治せない患者さんは更に減りましたが、まだ治らない人がいます。それが、現代的栄養失調です。ちゃんと食べても栄養の偏りなどの問題で病気になっています。糖質を制限し、蛋白と鉄、ミネラル、ビタミンをしっかり取っていただくことで更に治せない人が減りました。このように、西洋医学をいかに補完するかが私のライフワークとなっているのだと気づきました。

    クリニックにも初霜