むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 認知症対策あれこれ

    物忘れが気になるとか、頭の回転が悪くなったと言って来院される方が大勢います。本物のアルツハイマーならあまり病識がないので、物忘れをしてもたいして気にすることはありません。忘れたことを気にしている事自体アルツハイマーではないということです。しかし、もしかすると認知症のごく早期であるという可能性はあります。よく、心配だから検査に来ましたと言われますが、私たちがする検査はかんたんな記憶テストみたいなものです。野菜の名前を10個言ってもらうとか、100から7を引く引き算などのテストです。このテストは何度かやっていると学習効果で点数が上がってしまうため、練習しては正しい点数が付きません。

    それともかく、こんなかんたんな検査で認知症の初期段階を捉えることはできません。もちろんCTやMRIでも何もないことがほとんどです。では、放っておくしかないのか?それは違います。認知症対策は早ければ早いほどよいと思います。ただ、若い人で、会社のストレスや時間外労働が多すぎて疲労困憊しているとか不眠症でいつもボーとしているなどは認知症ではありませんから、まずは休息すること、眠剤を使ってでも熟睡して頭を休めることが先決です。

    そのようなストレスや過重労働など関係なしにボケてきた気がする場合、脳に良いことを可能な限りたくさんするべきです。何か一つ(たとえば認知症の治療薬のアリセプトを飲む)ではほとんど意味はありません。脳の血流を良くすること、動脈硬化を抑えること。コレステロール、血圧、血糖をきちんとコントロールすること。タバコは吸わない。お酒は程々にする、デパスやソラナックスなどの安定剤は使わない、などは基本中の基本。頭に良いサプリとしてビタミンB,C,E,ナイアシン、レシチン、DHA/EPA,イチョウ葉エキスなど。頭のエネルギー源として、ケトン体がいいので、糖質制限しながらココナッツオイルやバターをとること。鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルは積極的にとること、アルミニウム、鉛、ヒ素などを避けること。そして、本を読んだり歌を歌ったり積極的に遊ぶこと。趣味を持つことです。一日こたつでテレビを見て過ごすなんて、認知症まっしぐらです。認知症は一筋縄ではいきませんが、できうる対策を一つでも多く早くから対策することが大切です。