むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 今週は学生実習が来ています

    今週は医学部の学生さんが実習に来ています。私の診察について勉強していますが、話をしにくい時は遠慮なくいってください。特に心療内科のご相談の場合、人が多いと話をしにくいということはあるかと思いますので、その点は配慮します。医学部の3年生で座学から臨床実習への準備段階として実際の医師の働く姿を体験してもらうのが目的です。将来の無限の可能性を秘めています。しっかり体験して勉強のモチベーションにしてもらえたらと思います。

    この学生さんは医学部の東洋医学研究会という私が作った漢方の勉強サークルに所属しており、当院での漢方治療の実際を見たいというのが応募の理由でした。もちろん、そういう希望を持った学生さんには優先的に来ていただきたいと思い、即諾しました。外来診察を見学してもらってわかったのは、忙しすぎてほとんど解説する暇がないことです。パッと見てパッと処方を決める。漢方には弁証論治という理論的背景があるのですが、そのあたりを踏まえつつ経験と勘で素早く処方を決めるので、見ていてよくわからないかもしれません。

    私たちのように漢方をはじめて30年近いと、鍵職人が合鍵をパッと選んでくれるように、その人に最も適した処方を一瞬で決めます。もちろん理論もあるのですが、説明し難い感覚的なものでこの人にはこの薬が合う!と感じるので決めていきます。膨大な勉強と経験に基づいた勘ですから当てずっぽうではないのですが、学生さんに説明するのは難しいと感じます。

    味噌天神

  • 病院は癒やしを与える空間でありたい

    日曜は熊本大学病院で東洋医学会熊本県部会でした。私が会長なので準備が大変でしたが、無事に終わることができました。学会の経営難のため、超低予算の学会でした。協力いただいた皆様には感謝です。漢方薬で助かっている人は相当います。更年期、不妊、冷え性、自律神経失調、慢性疲労などなど西洋薬だけで十分対処できない分野に役立っています。それなのに、厚労省は湿布やビタミン剤などと同じように保険から外そうとこれまで何度もしてきました。いくら国の保険が破綻しそうだとはいえ、漢方はそんなに国の予算を食っている分野ではありません。漢方すべての保険請求額はコレステロール治療薬1剤分しかないと言われています。最近は、何千万もする抗がん剤とか何百万もする肝炎治療薬が保険収載となり、そういった薬が国の予算を相当食っていると思います。そのとばっちりで漢方を保険から外すような議論はまちがっています。国会議員や官僚の皆さんにもちゃんと理解していただきたいものです。

    その国会ですが、国の法案など全然審議せず、桜を見る会の招待客のことばかり延々やっています。私たちの税金を使って、こんな非生産的な議論ばかりを国会でしないでほしいと思います。よほど、法案審議が嫌なのか、目立ちたがりのパフォーマンスにはうんざりします。ちゃんと国会議員としての仕事をしない人や政党には次の選挙ではやめてもらいたいと思います。

    夕方、「坂上指原潰れない店」という番組を見ていたら、潰れそうな居酒屋を立て直す企画があっていました。アドバイザーは「富士そば」の会長さんです。居酒屋は癒やしを与える空間であること、お客さんをいつも笑顔で迎えること、いつもお客さんの立場で考えること、いつもお客さんを笑顔で見送ること、と言っていました。同じことは病院経営にも通じると感じました。

    久木野 ホギホギ神社(宝くじの神様)

  • 土日は福岡・熊本で学会

    土曜日の診療が終わって、すぐ高速バスに乗り福岡にいきました。九大病院で東洋医学会福岡県部会に参加するためです。最初の演題には間に合いませんでしたが、2番めから最後まで聞くことができました。福岡でいつもお世話になっている先生に挨拶できました。実は明日(日曜日)に熊大病院で東洋医学会熊本県部会を開催するのですが、特別講演に福岡から先生を講師としてお呼びします。その先生に偶然お目にかかれたのが収穫でした。明日の熊本での会の打ち合わせをすることができました。私は主催者なので、会場の設営、お釣りや領収書の準備などいそがしいため、せっかく博多にいきましたが、会が終わったらすぐにバスに乗って帰ってきました。博多にいたのはわずか3時間です。

    福岡での講演会のテーマは四物湯についてと心と漢方の話でした。奇しくも、明日の熊本県部会でも私が四物湯の話、福岡から来ていただく千々岩先生には心療内科と漢方の話をしていただくことになっています。偶然福岡とテーマが一致しました。

    漢方薬が効くことは4000年の歴史が証明しています。西洋医学が発達していても、せいぜい400年程度の歴史です。漢方の長年に渡る人体実験の成果は西洋医学で解明できないからといって否定できるものではありません。それを、西洋医学しかわからない科学者(ぶったひとたち)が、漢方のことを非科学的だと言うのは間違っています。実際はなぜ漢方が効くかを西洋医学が未熟なために解明できないだけなのです。

    博多駅

  • おせっかいで役に立たない天気予報(渋谷の空)

    温かい一日でした。院内では半袖で過ごせます。昼に往診に出た際に長袖を着たら、あつくて車のエアコンを入れないといけないほどでした。それにしても、朝からNHKニュースなどを見ていると、天気予報がありますが、必ず東京渋谷の空模様とか、そんな話題で数分を費やします。私たちにとってはなんの役にも立たない情報です。それに加えておせっかいなのは、今日は傘を持っていけとか、コートにマフラーくらいの準備をしておけとか、洋服や持ち物にまで指図してくることです。NHKニュースを見ている人でその指図が役に立つのは人口比から考えてわずかに1割に満たないと思います。あとの9割の人にとっては、関係ない話です。

    100歩譲って、私が東京に住んでいたとしても、そういう指図は間違っています。例えば最高気温15度を暑いと感じるか寒いと感じるかは個人の問題です。北海道から来た人は温かいと感じるし、沖縄から来たら寒いと言うでしょう。また、太ったアメリカ人なら一年中半袖Tシャツでいい人もいます。国際化の時代に自分の価値観でコートを着ろとかマフラーをしろとか、傘を持っていけというのはテレビが万人に向けて言う言葉ではありません。

    私が患者さんにいろんな指導をする際は個人個人で違うことを言います。例えば、血圧が高い人に全員減塩しろとは言いません。ガイドラインは万人向けなので、減塩と書いてありますが、実際には塩分感受性が高い人(食塩で血圧が上がりやすいひと)と塩分感受性が低い人(塩分をとっても血圧があまり上がらないひと)がいます。それぞれに必要な食事指導をすべきです。ガイドラインはあくまで万人向けの一般論であり各論ではありません。その辺をわかっていないと、テレビで言っていたからとか、ガイドラインに書いてあるからといって、金科玉条のように信じるのは間違いなのです。

  • 懐かしい東病院でお仕事(ヘルプ)

    私は10年くらい前に田迎の東(あずま)病院で働いていました。生まれ育ったまちの老舗の病院なので、そこで働くのはとても楽しかった思い出です。先日、桜十字病院の連携の会に出席した際に、東病院の事務長さんと久しぶりに会いました。何かあったらうちの病院を手伝ってくださいよ、と頼まれていたのですが、そのときは単なる挨拶と思っていました。ところが、先日電話がかかってきて、今週末土日が連休になっているところの医師が急遽都合が悪くなり、学会などと重なって変わりが確保できないで困っています、とのこと。しょうがないので、夕方までなら、ということで、あさから夕方までの日勤帯をお手伝いしました。

    行ってみると本当に懐かしい。医局の場所は新しくなっていましたが、働いているスタッフの大半は当時のまま。変わったのは、紙カルテが電子カルテになったことぐらいです。ここの電子カルテは初めて触ったのに簡単に使えました。よくできています。地域医療センターの富士通の電子カルテなどは大勢の外部協力医に使ってもらわないといけないのにとても使いにくいのですが、それとは対象的に、いい感じに仕上がっていると感じました。私たちがよその病院に行くと、いろんなところに興味があります。業務上工夫していることが手にとるようにわかります。

    東病院は外科の病院なので外傷ばかり次々と来ました。私が内科なのに外科を修行できたのはここで仕事したおかげです。夕方から漢方セミナーで座長(司会)担当でした。福岡の飯塚病院から講演に来ていただきました。さらに、その会が終わったら、小学校時代の親友と忘年会。忙しい祝日の土曜日でした。