むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 願い事はなに?

    もうすぐ七夕ですね。店や保育園、老人ホームなどには七夕飾りが見られます。なかには、短冊がおいてあって、それぞれが願い事を書いていいところもあります。思い返せば、七夕飾りに願いを書いたのなんて、何十年も前です。私たちが目にする七夕飾りは病院関係が多いので、短冊に書いてある願い事といえば、「おじいちゃんの病気がなおりますように」「おばあちゃんが早く退院できますように」みたいな物が多く、そういった願い以外が飾ってあるのを滅多に目にしません。大人になって願い事を書こうとしても、人にもられるのが恥ずかしくて当たり障りのないことしか書かない。子供にもそういう建前の願い事を書くよう教育しているのではないかと思われます。

    初詣で絵馬に書いた願い事を見ると、結婚とか就職とか、宝くじが当たりますようにとか、バライティーに富んだ願い事が書いてあります。素直で好感が持てます。そういった、個人的な個々の願いを神様が聞いてくれるか、というと、そうではないと思います。大事なのは、自分がどうしたいのか、どういう願望があるのか、改めて短い文章にすることで自分の進むべき方向が明確になります。漠然と、幸せになりたいとか、長生きしたいというよりは、今年こそ資格を取る、車を買う、家を建てる、など具体的な目標をイメージすることで最初の1歩が始まり、願望が成就するきっかけになるのです。

    なので、七夕飾りなど見かけたら、人目など気にせず自分の願望・欲求を文章にしてみることをおすすめします。あー自分はこんな風になりたいんだ、そのためにはまずこれを実現しないといけないんだとはっきりしてくると思います。七夕は一つのきっかけで、神社参りや墓参りなどいつでも同じように自分の願いを言葉にする習慣こそ、成功への第一歩だと思います。

  • 恩送り

    蒸し暑いですね。こう暑いとあっさりしたものが食べたくなります。そうめんとか、冷やし中華。美味しいです。私がよく食べる韓国料理にも韓国冷麺があります。こんにゃくかと思うほどコシの強い麺です。スープはあっさりしたガラスープだと思いますが、水キムチみたいなのが入っていたりします。今まで韓国冷麺はたいして好きではなかったのですが、下通りのハヌルでたべた冷麺は絶品です。あまりの美味しさに、リピートしています。面白いのは、韓国では冷麺が夏だけの食べ物ではないみたいで極寒の冬にも食べられます。そして、暑い夏にみんなが食べるのかと思えば、そうでもないようなのです。見ていると、韓国人は真夏の暑い時期に、熱々の土鍋(トッペギ)の中でグラグラ沸騰しているスンドゥブチゲなどをフーフー言いながら食べているのです。そう、夏こそ暑いものを食べるのが体にいいのです。そして、チゲには唐辛子、にんにくなどの香辛料が入っており、夏バテした胃にパワーを与えてくれます。是非真似してみてください。夏バテも吹き飛び、元気になりますよ。

    さて、今日は「恩を返す」について考えてみたいと思います、「恩を忘れない」「成功したら必ず恩を返します」みたいな話はよく聞きます。しかし、この世で恩を返すのは案外難しいものです。例えば、小中学生時代に担任の先生が暖かく見守ってくれた、勇気をくれた、進路に大きな影響を与えてくれた、など恩を感じることがあります。しかし、大人になった頃、本当にその先生に恩返しをするチャンスはめったにありません。私ごとですが、中学時代に私は英会話クラブの部長をしていたのですが、たまたまその顧問だった先生が当院に患者として来院頂いています。偶然、恩返しをすることが出来ています。

    それはさておき、恩を売ったほうが利子を付けて返せと言ってくるのは銀行かヤクザぐらいでしょう。通常恩返しはまず出来ません。そこで、私たちがすべきことは「恩送り」です。自分たちが受けた様々な恩は受けた人に返すのではなく、次の世代に送っていくのです。後輩をしっかり育てる、同業者を蹴落とさず、切磋琢磨して助け合う、名もない新人も信頼して仕事を任せてみる、などなど。順に恩を送ることで、すばらしい世の中になること間違いなしです。

  • 梅雨は水虫に注意

    いよいよ雨のシーズン入り☔️ですね。週間天気予報ではこの先ずっと雨みたいです。雨の前後は頭痛やめまいの患者さんが増えます。当院にかかっている患者さんたちは、すでに何年も前からこういう時は五苓散がいいと分かっているのでシーズン入り前から準備されています。1ヶ月くらいは毎日飲むくらいの気持ちでいいと思います。漢方薬は保険の都合で2つまでしか処方できないので、通常別の2剤を定期にしていてこのシーズンだけ五苓散が欲しい場合には処方に工夫が必要です。前の処方の残日数が多いとすぐには出せませんので、早めに相談してください。

    ジメジメすると水虫も悪化する季節です。当院でも、塗り薬を準備していますので、皮膚病変もご相談ください。足の爪が分厚く変形しているのは爪白癬です。普通の爪切りでは切れないことが多いです。ニッパー型では切れるかもしれませんが、無理すると割れてしまいます。そこでおすすめは爪ヤスリです。お風呂あがりに少し柔くなった爪を専用のヤスリで少しずつ削ります。ニッパーより安全です。薬店で買えます。

    使い終わった爪切りややすりは白癬菌(水虫)がついているかもしれないので、良く洗って乾かしましょう。温泉などに置いてある体重計は水虫の最もうつりやすいポイントです。できるだけ乗らないようにしましょう。

  • 睡眠時無呼吸

    毎日2−3のWEB講演会があります。私は仕事の後急いで家に帰ってiPadやアンドロイドタブレットを3つ並べてそれぞれ講演会にアクセスします。今日は中央病院主催の糖尿病の勉強会だったのですが、講演のテーマは睡眠時無呼吸でした。睡眠時無呼吸は寝ているときにいびきがひどく、気がつくと1分ほど呼吸が止まる、そして、ハーハーと大きな息をして低酸素状態から回復する、を繰り返す病気です。熟睡できないため昼間に眠気が襲います。交差点で信号停車中に寝てしまう人や、居眠り運転で交差点などに突っ込む人も無呼吸の可能性が高いと言われています。無呼吸があると、通常の人の7倍交通事故が多いそうです。また、高血圧、糖尿病、心疾患などを合併する率も2倍以上になるとのことです。無呼吸は侮れません。

    ご自分やご家族が睡眠時無呼吸かもと思ったら、ご相談ください。睡眠をモニターする機械を1−2泊貸し出します。寝るときに酸素の具合や呼吸状態を記録して無呼吸回数やその時の酸素飽和度などを詳しく解析します。無呼吸が多い場合、CPAPという簡単な呼吸の補助器具を貸し出します。保険適応です。無呼吸回数がさほどひどくない場合、歯科にたのんでマウスピースを作り、無呼吸にならないように工夫してもらう手があります。

    睡眠時無呼吸の場合、日中眠くなりますが、無呼吸がないのに日中眠くて仕方ないという嗜眠症もあります。会社でもすぐ寝てしまう。学生さんなら寝てしまうため授業を聞けない。いろんな不都合が出るのですが、最近、漢方でうまく治せた嗜眠症が何例かありました。漢方を使わない場合、医療用覚醒剤で目を覚まさせる方法があるのですが、さすがにそんな治療は抵抗がありますね。

  • 物忘れあれこれ

    いよいよ7月です。そして、九州北部はやっと実質上の梅雨入りです。こんなに遅いのは珍しいですね。学校は夏休み前の試験のシーズンです。試験で思い出しましたが、塾に通っていると、学校よりずっと先の方まで習っていて、頭の中は新しいことでいっぱいなのに、学校の試験は塾で何ヶ月も前にやった内容。とっくに忘れている、みたいなことがあって、塾の功罪だなーと思っていました。新しいことを勉強するのはいつもワクワクして楽しいですが、復習は面白くないですね。しかし、同じことを何度も復習しないと記憶は定着しないので、復習こそが大切な勉強だと思います。

    高齢者の記憶が悪いのは不思議とさっき言ったことを覚えていない。逆に50年以上前の出来事は鮮明に思い出す。短期記憶の障害といいます。今朝なにを食べたか思い出さない、昼ごはんを食べたかどうか思い出さないので「ご飯はまだか」とお嫁さんを困らせる。買い物にいって、昨日ケチャップを買ったのに、覚えていなくて今日またケチャップを買ってくる。こんな症状が出てきたら認知症が始まっている可能性が高いです。

    一方、若い世代で、職場のストレスや仕事が忙しすぎて睡眠不足が続いているような場合、記憶があやふやになりがちです。上司に、「あれやっといて」と言われて「はい」と返事をしたのに忘れている。「はい」と返事したのも思い出せない。これは認知症ではありません。頭が飽和してしまっているので、こういうときは現場から一旦離れて休養を取ると復活します。私の場合、このような患者さんにはよく抑肝散と四物湯を出します。頭を休めて、脳に栄養を入れるイメージです。