むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 短冊に願いを!

    七夕でしたね。例年七夕の頃は梅雨真っ最中で天の川どころか大雨の事が多いのですが、今年は星が見えました。病院や老人ホームには笹飾りが飾ってあり、みなさんがそれぞれ短冊に願いを書いていました。幼稚園や小学校くらいまでは七夕をしたような気がしますが、おとなになってから祝ったことは記憶にありません。みなさん、今年は短冊に願いを書いたりしましたか?もし書くとしたら、なんて書きましょうか。よくありがちなのは「おじいちゃんおばあちゃん長生きしてください」とか「早く退院できますように」みたいな病気や健康に関するもの。たまに「宝くじが当たりますように」とか「今年こそいい出会いがありますように♡」みたいなもの。あるあるです。思えば、願いというのは、今ここにないものをほしいと思う心なので、陰と陽(幸と不幸、病気と健康など)表裏一体となったものとなります。そう考えると、なんとなく寂しい物があるので、そうならない願い事はないかと考えたら、自分のことは置いといて人の幸福を願うというのがいいような気がしました。例えば、子供の受験がうまくいきますようにとか、会社が繁栄しますようにとか。私に当てはめれば、通院されている患者さんがみな健康で幸せでありますように。スタッフみんなが楽しく働き、幸せな家庭を築きますように。です。

    ところで、早くも夏バテ続出です。蒸し暑くてエアコンを相当効かせないと辛いです。そういう夏バテで、食欲が落ちてきちんと食べなかったら回復しません。ビタミン、蛋白をしっかりとらないと体調は維持できないので、肉、野菜、魚、卵など頑張って食べましょう。間違ってもそうめんサラサラでおしまい、ではだめです。

    沖縄など暑いところではやはりミネラルやビタミン、蛋白たっぷりの伝統食がいろいろあります。見習いたいものです。夏バテに「飲む点滴」として有名なのが甘酒です。ノンアルコールですから飲めない人も大丈夫。聞いた話では奄美の名物で「みき」というものがあります。もちろん神酒に由来する神聖な飲み物だと思いますが、米とさつまいもを主原料として乳酸発酵させた飲み物だそうです。腸活に最適です。味はヨーグルトでも甘酒でもないとのこと。聞いただけで試したい!と思って楽天で探したら1本200円くらいなのに送料1400円だと!ありえない。いろいろ探したらふるさと納税の返礼品にあったので、さっそく奄美に納税しました。返礼品が届くのが楽しみです!

    クレア駐車場から見た金峰山の夕日

  • 初めてのチャミスルとオギョプサル

    台風が近づいているそうです。明日は雨風に注意です。それを避けてか、月曜だったのもあり今日は大変混み合いました。高齢の患者さんの場合、付添のご家族もおられるので待合が混雑してしまいます。換気をするとエアコンの効きが悪くなるのですが、仕方ありません。

    先日、友人から韓国の焼酎「チャミスル」をもらいました。以前果物のフレーバー付きのチャミスルは飲んだことがあったのですが、ノーマルは初めて飲みました。よく韓国ドラマを見ていると屋台などで小さな緑色の瓶に入った焼酎をベロベロになるまで飲んで失敗をやらかすシーンを見ますが、どんな味なんだろうと思っていました。もらったチャミスルを飲んでみたら、癖がなくあっさりしていて結構いけます。たしかにどれだけでも飲めそうです。私はめったにビールを飲まない代わりに、焼酎は好きなのですが、焼酎好きの私もこのチャミスルは今度買ってこようかと思わせる味でした。

    韓国つながりで料理の話。私が気に入っているのは下通りのハヌルという店ですが、その姉妹店で8th(エイトス)というところは食べ放題も充実しており、ランチも安くて美味しいです。最近、製薬メーカーのMRさんに教えてもらった銀座通りにあるサムギョプサル(豚のステーキ)専門店「熊KEN」は本格的な店で美味しいです。先日、この店のオススメメニューである「オギョプサル」というのを食べてみました。オギョプサルは済州島の名物らしく、皮付き豚肉(オギョプサルのオは5という意味で五枚肉)のステーキです。皮の部分はバーナーで香ばしく炙って下処理をし、ステーキにしたものをハサミで切ってキムチやオキアミのオイル漬けなどをそえてサンチュに包んで食べます。通常のサムギョプサル(サムは3という意味で豚の三枚肉のステーキ)より皮の部分が香ばしくてやみつきになる味でした。

     

  • 高齢者は家に閉じ込めないこと

    せっかくの日曜でしたが、院内ワックス清掃の業者が入る日だったので朝から院内待機となりました。まるまる一日拘束されるので、この機会にしないといけないことをしようと思っていました。まずは月初でレセプト(診療報酬請求)のチェック。一日で千枚以上チェックしました。眼が回りそうです。もちろん私の仕事はマルチタスクでいくつも同時進行です。ちょうどいいタイミングで東洋医学会がありました。WEB学会なのでクリニックにいながらにして参加できました。素晴らしい!今日の話題は整形の先生が整形外科疾患の漢方治療についてお話され、2番めには耳鼻科の先生がめまいと咳に対する漢方治療の話をされました。どちらも、当院でもたくさん患者さんを抱えておりなかには難治で困っている症例もあったので、大変勉強になりました。学会参加費の10倍以上の収穫がありました。明日からさっそく勉強した処方を患者さんに出してみたいと思います。それで長年の症状が取れれば勉強したかいがあったというものです。

    夕方、ワックスがけが終わったところで、大急ぎでスポーツジムに行って、週末日課にしている5キロランニングをして、温泉で汗を流してわたしの週末のノルマが完了しました。運動をちょっとサボるとあっという間に筋力が落ちてしまいます。心肺機能も落ちると思います。私くらいの年齢でもそうですから、高齢者でしばらく入院したりすると本当に体力が落ちると思います。最近は老人ホームなどでもコロナ陽性者が出るたびに行動制限がかかり、狭い部屋からでられなくなり、殆ど一日寝て過ごすお年寄りが多く見られます。こういう生活をすると、この前まで元気だった人もあっという間に筋力低下(サルコペニア、フレイル状態)となり転倒のリスクが上がります。また、認知症も進行します。高齢者を狭い居室に閉じこめてはいけません。できるかぎり歩いたり、デイケアなどに参加して刺激のある生活をしてもらいたいと思います。

    老人ホームでなくても家庭で高齢者がいるとか、老老介護状態の家庭などではやはり刺激が少ない毎日で、認知症などは進行しやすい環境です。このような場合、まず介護保険を申請して担当のケアマネージャーさんが決まったら、要介護度に応じたサービスを受けることができます。デイケアや訪問リハ、訪問看護など必要に応じたプランをケアマネさんが作られるので、希望を伝えてください。こういった社会資源をうまくつかって高齢者を家庭内に閉じ込めないようにしましょう。

  • 利尿作用のあるとうもろこしのヒゲ

    患者さんに新じゃがを頂いたので、さっそくシャープのヘルシオ(ホットクック;自動調理具)で肉じゃがにしました。無水調理ができるので、水はほとんど入れずにみりん、酒、醤油などの水分と野菜から出る水分で出来上がります。ホクホクの肉じゃが、美味しくてびっくりです。また、別の方からは家庭菜園で取れたとうもろこしをいただきました。これも、水で茹でると味が抜けてしまうので、キャンプに使うダッチオーブンに少量の水を入れて、コーンの皮を一枚のこした状態で蒸してみました。甘くて最高でした。

    とうもろこしのひげが漢方になるのをご存知ですか?利尿作用があり、むくみが取れます。ひげを集めて煎じて飲むのですが、たいした味はしません。コーン茶なら香ばしいので、嗜好品として飲むならコーン茶にひげを一緒に煎じるといいかもしれません。注意したいのは、とうもろこしはとても虫がつきやすく、虫がつくときれいな商品ならないため、通常売ってある商品には大量の農薬が散布されているそうです。その場合、ひげを煎じるのはお勧めしません。無農薬栽培と証明されているものか家庭菜園のものを使ってください。

    むくみをとる民間療法でもう一つ思い出しました。小豆の茹で汁は利尿作用があります。おしるこやおはぎなどは小豆を煮たものですが、砂糖が多すぎて健康に良いとは言えません。自分で小豆を茹でて茹で汁を飲むのが最も健康的です。茹で汁をミニストローネ風のスープにすると良いでしょう。もちろん茹でた小豆は砂糖を使わず、サラダのトッピングなどにしてオリーブに塩コショウ、レモン汁などで食べるのが健康的です。ご飯に混ぜて赤飯風にしてもいいかもしれません。

  • 睡眠薬の話

    雨の日曜日となりました。週間天気予報によると梅雨入りはまだで、今週いっぱいは蒸し暑くもならず快適な日が続きそうです。6月のカラッと晴れた日は最高です。今日は久しぶりに何も予定が入っておらず、8時まで寝てしまいました。いつもは5時おきなので、3時間余分に寝た計算です。すごく贅沢な気分です。ただ、毎日8時間寝ろと言われたら僕には無理です。余程苦痛です。時々、睡眠薬がほしいということで来院される患者さんで、朝5時頃目が覚めるからあと2−3時間眠れるようにしてほしい、と言われます。患者さんの希望なので処方しますが、私にとっては5時おきが普通なのでなんでそこで目が冷めたらさっさと起きて朝活をしないんだろうと思ってしまいます。

    ところで、睡眠薬を飲むのは罪悪感があるようで、やめたいのにやめられない、だけど飲まないと翌日がきつくて仕事にならない、といって、外来でくどくどと言い訳をされる方が大勢います。別に言い訳はいらないと思います。もっと寝たい、寝ないときつい、という歴史はおそらく人類始まって以来人の欲求の大きな部分を占めていると思います。私が思うに、薬がほしいと思ってあれこれ薬草を飲んでみた歴史の最も古いところは痛みが取れる薬と眠れる薬の2つから始まったのではないかと思います。

    柳の木で作った爪楊枝を使うと口の痛み(おそらく歯周病)が取れたという歴史からアスピリン(バファリンなど)ができました。犬の散歩をしていると、犬ははえている雑草のなかから自分の体調に必要な葉っぱを不思議な能力で見つけて食べたりします。人はそれをみてこの葉っぱは食べても毒でないというのを知り、一つ一つの薬効を検討したのだろうと思います。いまから2000年以上前の中国の文献に神農本草経というのがあり、漢方(生薬学)の基礎となっています。(興味があれば⇒http://www.eisai.co.jp/museum/herb/familiar/honzokyo.html