むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 脱炭素は単なる環境ビジネスか

    夜に犬の散歩をしていたら空からどんどんと音がするのでまた雷雨になるのかと思ったら、遠くで花火が上がっていました。江津湖かと思って調べましたが、江津湖の花火大会は今年は中止みたいです。どこであがっていたのでしょうか?週間天気予報を見ると、梅雨明けしたはずの沖縄が来週全部雨になっています。どうなっちゃってるんでしょう。ニュースではドイツですごい洪水。下流のベルギーなども水害に見舞われています。大陸は川の流れが緩やかなので、一度水害となると被害も広範囲に及びます。

    世の中は温暖化を止める手段として「脱炭素化」がキーワードとなっています。しかし、これはほとんど環境ビジネスだと思います。なんとなく良さそうだからみんなでそれをテーマに商品開発してブームにしよう、みたいな感じでしょう。環境にいいとされてかなり普及した自動車のアイドリングストップも、結局エンジンやバッテリーに高負荷をかけるため得したガソリン代はほとんどバッテリー交換代などでパーです。原子力発電も、二酸化炭素を出さないとか、発電コストが火力より安いとかいいますが、廃炉までのコストを考えると全く採算が合いません。

    太陽光ビジネスも同じ。阿蘇の方を見ると、びっくりするほど広い面積の山林を伐採して太陽光パネルが並んでいるのが見えますね。発電して得したように見えますが、あれだけの自然破壊をしているのと、太陽光パネルは寿命が15−20年ですから、将来ごみとなったパネルを廃棄するときにかかるエネルギーを考えるとほとんど得ではありません。

    みんな、環境にいいという聞こえの良いキーワードに踊らされているだけだとおもいます。よく名刺をもらいますが、名刺に「再生紙を使っています」とかいてあるのがあります。これも自己満足。本当に環境のことを考えるなら、お互いのスマホをかざすだけで名刺交換できるアプリなんて、誰か作らないかなと思います。Lineのフルフルみたいな感じです。これが一般化すれば、紙の節約になります。

  • ものを大切にし、長く使う時代が来た

    最近は毎日のように漢方の講演会(WEB)に参加しています。飯塚病院の漢方診療科は全国的にも有名な漢方診療施設ですが、多くの人が国内留学で勉強に行ったりしています。私も、機会があれば飯塚病院に研修に行ってみたかったですが、アメリカに留学したため、そういうチャンスはありませんでした。私は熊本の御船で牟田先生に師事して漢方を学びましたが、留学から帰国後はほとんど独学です。いつの間にか、熊本の東洋医学会熊本県部会の会長になってしまいましたが、ほぼ独学なので世の漢方学者さんたちがどのような臨床をされているのか、ほとんど知りません。それが、コロナのおかげで全国の漢方勉強会に自宅から参加できるようになり、飛躍的に勉強が進みました。一流のレベルがどのくらいかもわかりましたし、今では飯塚病院のカンファレンスなどにも毎週のように参加できます。夢のような環境です。

    さて、熊本は梅雨明けしたはずなのに毎日のように雨です。梅雨明け宣言が早すぎたようです。朝晩はかなり涼しく快適です。実質来週が梅雨明けとなりそうです。ニュースで見たのですが、カリフォルニアワインの産地のナパバレーで山火事のため、ぶどう畑が燃えてしまい、ワイナリーの再建を断念したと言っている人がいました。残念なことです。温暖化が進むと、今までの産地は適しない様になり、もっと北の方へと産地が移動していくはずです。熊本もそのうち沖縄みたいになり、植木のスイカ畑も将来はパイナップル畑に変身するかもしれません!

    コロナ禍で半導体不足が深刻化しています。車は納車まで半年以上かかることがざらになっています。当院は、コピー機のリースが切れて、新しいのを入れようとしたのですが、メーカーに売る品物がないそうで、買い替えは断念して、メンテナンスの延長となりました。腕時計のロレックスは半導体と関係ないですが、世界的に品うすとなっており、持っていれば、壊れていても高値で売れるそうで、もし新品を買えたら即転売すると5割増しくらいで売れると聞きました。品不足の時代、物を大事にして長く使うこと、当たり前ですが、懐かしい響きです。

  • 「お・も・て・な・し」しないんでしょうか?

    オリンピックはもうそろそろ始まりますね。開幕は来週あたりでしょうか?本来ならカウントダウンみたいにTVは特番だらけになるはずが、まったくそんな気配もなく、スポンサーとなった企業も特別なCMなど流したりせず、静かすぎて逆に心配になってきます。いくら、国民の大半が反対していて、やめようよ、と言っているとしても、政府とIOCがすると決めたらするしかないです。本来なら国を上げての大きなイベントなはず。用意周到に準備をしても十分とは言えないと思われるのに、今回は全然準備していないのではないかと思われます。結局オリンピック用の道路もできていないし、どうなるんでしょう。各国からの来賓を「おもてなし」するといったのに準備を怠り、さっさと帰れと言わんばかりの態度では、国の「運気」が下がるに違いありません。そんないらぬ心配をしてしまいます。

    例えば、子供が、週末友だちと遊ぶ約束をしていたとします。そんな中、両親が、前々から計画していた家族旅行はいろんな心配もあるが結局行くことにした、と言い出したら、子供は「行きたくない、準備もしていないし」と言いつつ、結局は両親に連れられて旅行に行くことになります。行ってみたら、カメラを忘れた、携帯の充電器を忘れた、友達に約束のキャンセルの連絡をするのを忘れた、となって、全然楽しめないことでしょう。行くと決まったら、ギリギリまで時間が少ししかなくても全力で準備すべきでしょう。もう反対してもどうにもならないのだから、行くのであれば、精一杯楽しまないともったいない。

    結局、私達は自分の意志で行動を決められる場合と、どうにもならない場合があります。会社が決めたら従うしかない。決まるまではしっかり自分の意見を言うことも大事ですが、決まった後はそれに従う中で、自分がどんなふうに貢献できるか、どうすれば楽しく仕事ができるかをかんがえ、いつまでもダラダラと反抗的な態度を取らないことが成功の秘訣だと思います。

  • 飲み物は器で味が変わる

    アサヒスーパードライ生ジョッキ缶という缶ビールが飛ぶように売れているそうです。売れすぎて、私はまだ本物を目にしたことはありません。普通、缶ビールの蓋はプルトップになっていて、飲み口の部分を押し下げて飲みますが、今回の新商品はがばっと丸く蓋が抜けるようになっています。そして、特殊加工した缶の内側(凹凸)によりビールがクリーミーに泡立つ仕組みだそうです。中身は普通のスーパードライですから、泡立つところが新しいのです。そのビールの泡を立たせる凹凸の部分ですが、何度も試作品で凹凸の大きさや数を変えて最適な条件を決めたとのこと。努力の結果の大ヒットです。

    しかし、家庭でそのクリーミーな泡立ちを楽しみたいなら、別にこの生ジョッキ缶を買わなくても大丈夫です。グラスにつぐから泡立ちがたいしたことないのです。よく、陶器屋さんに売られている陶器でできたビアグラスがありますね。なかでも備前焼などはビールの泡立ちが最高です。https://journal.thebecos.com/pottery-beer-glass/私は家にあるいろんなグラスにビールをついで、泡立ちを確かめたことがあります。備前焼のビアグラスもさることながら、もっともクリーミーで味わいが最高なのは錫(すず)のタンブラーです。これにつぐと同じビールは思えないほど味が良くなります。https://japan-design.imazy.net/jp/crafts/nousaku/tin-beer-cup-tumbler/

    私は、仕事に魔法瓶・水筒をもっていきます。なかにはお茶を入れているのですが、うちには子供が使っていた魔法瓶が10個くらいあるので、それぞれにお茶を入れて飲み比べてみると、なんと飲み口の形やサイズで味が変わります。飲み口が小さいと美味しく感じません。一番美味しく飲めるのはカップに移して飲む方法。大きく一口飲めるのがいいのと、香りも楽しめるからだと思います。そういえば、ローソンのカウンターで買うホットコーヒーは蓋に飲み口の穴とは別に鼻に香りをおくる小さな穴が空いているそうです。美味しく飲むためのマジックです。

    上江津湖

  • 考えてばかりでなく、まず動こう

    何かにつけ、自分が悪かった、あそこであんなふうにしなければ良かった、と反省ばかりする人がいます。反省しすぎて自己嫌悪に陥り、自分はだめだとなり、仕事に行くのも怖くなる。仕事に行く前から失敗したらどうしようとか、前にやっちゃった失敗を思い出して仕事に行けない。上司や同僚が話していると、それが自分のことを言っている気がして、不安、緊張、落ち込みなどひどくなる。こういう人が結構います。反省するのがその人の個性だとすれば、それは、成長する人だと考えたらいいでしょう。

    しかし、些細なこともあれこれ考えすぎて物事が先に進まなかったり、勇気がなくて進められなくなっては、反省した意味がありません。PDCAと言って、P(プラン、計画)、D(Do:実行)、C(チェック)A(Act:改善)をぐるぐる回す方法があります。CとAばかりやって実行(D)が伴わないのはだめです。最近はじっくりPDCAをやっていては時代に追いつかないのでPを省略してとにかくD(なにはともあれまず直感でうごく)を最初に持ってくる方法があります。

    最近は研究でもだいぶ様変わりしてきました。昔はまず自分なりに仮説を立てて、それを証明する実験をして、検証する、結果を見て仮説が正しかったかどうか判断する、という流れでした。今は、仮説など必要なく、膨大なデータ(ビッグデータ)を人工知能にドンと入れてやると、答えが出るのです。反省ばかりして実行しない人、計画は建てるけど実行が伴わない人、何も恐れず、直感で動きましょう。反省や計画は後です。これがAI時代の働き方です。なお、ここでいう<直感>とは、病院で言えば「患者さんやその家族の健康と幸せにつながるかどうか」ということです。これは、当院の経営理念その1です。