むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 美肌にはセラミド

    最近は化粧品の成分にセラミドを配合したものが多数見られます。みなさんも、手元にお持ちかもしれません。セラミドというのは肌の保湿成分の代表です。潤いのもとになっています。したがって、それを補うことで肌がしっとりすると考えるわけです。しかし、化粧水などの水分はどんなに塗っても肌から体には入りません。入らないように皮膚のバリアがあるからです。やたらと外から水分を与えてそのままにしておくと、革製品を濡れたまま放置したのと同じでカピカピになります。大切な革のバッグやグローブなど濡れたままにすることはないでしょう。濡らしたままはいけません。そこで大事なのはセラミドですが、残念ながら、セラミドも外から皮膚に塗りつけても体に入っていくことはありません。

    私が数日前から乾燥肌で痒かったのが治った話を書きました。ここで、セラミドは重要な鍵となっています。じつは、ビタミン剤でセラミドの合成を増やすことができるのです。その大切な役割を担っているのは、ビオチン(ビタミンB7)とナイアシン(ビタミンB3)です。さらに、ビオチンというビタミンは食事で取ることができるのですが、その吸収を邪魔する悪玉の腸内細菌がいるそうです。しかし、その悪玉菌を宮入菌(ミヤBM)という整腸剤で除去することでビオチンの吸収を良くすることができるということがしられています。また、美肌に大切なコラーゲンのことも先日書きました。コラーゲンは経口摂取することで消化吸収されます。一旦アミノ酸まで消化されたあと、ビタミンCの働きでコラーゲンに再構築されます。(コラーゲンも化粧品で塗っただけでは皮膚には入りません)

    以上をまとめると、体の内側から美肌をめざすにはビタミンC、コラーゲン、ビオチン、ナイアシンを十分量取ること。できればミヤBMを併用することが大切です。通常市販されているマルチビタミンはB1,B2,B6,B12です。ここにはビオチン、ナイアシンが入っていませんので、成分をよく見て買ってください。そして、乾燥性皮膚炎などの肌のコンディションを改善するには高用量を要しますので、市販薬では不十分です。処方してもらったほうがいいと思います。当院では、看護師さんたちがその美貌をずっとキープしてくれるようにこれらのビタミンを自由にとれるように常備しています。

    増上寺