むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 論文執筆の秋

    カレンダーを見ると、今週末もまた連休になっていますね。当院は土曜日は通常通りですが月曜は祝日で休診となります。ついこの前連休が2回もあったのに、この時期は連休が頻繁にありますね。急に涼しくなってきたので行楽日和だと思いますが、風邪など体調を崩している人も多く見られます。季節替わりは体調も不安定になるし、秋のアレルギーで花粉症や喘息も多くなります。昼に暖かくても朝晩冷え込みます。調整のきく洋服を用意して体調管理にはくれぐれもお気をつけください。

    秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋などいろんな言葉がありますが、みなさんにとって秋は何の秋ですか?私が大学で研究を仕事にしていたときは、秋は論文を書く季節でした。論文を書いたら学会誌に投稿するのですが、学会事務局はその研究分野で第一線の専門家に依頼してその論文の査読を行います。査読の結果、書いた論文の不備な点や論理に間違いや飛躍がある場合、追加実験を行ったり、誤解されないような文章に書き直したりします。ところが、アメリカのハローウィン、サンクスギビング(感謝祭)、クリスマスと年末が近づくに連れイベントのため査読に時間がかかるようになります。そんな関係で、秋はできるだけハローウィン前までに論文を仕上げて投稿したいという感じでした。今となっては懐かしい思い出です。

    論文を書くときは、理詰めで抜けの無いようにしっかり考えて考えてさらに先輩や教授の意見も聞いて考え抜くわけですが、わざと論理の飛躍や抜けたところを作って投稿することがあります。すると、査読者は餌に飛びつくようにその部分を指摘してくるのですが、そのおかげでそれ以外の批判をあまりしてこないことがあります。すると、論文を書いた方からすると、わざと作った落とし穴ですから、そこを塞ぐ方法は最初から準備していて、さっと査読コメントにレスポンスして論文を通すという技を使ったりしていました。こうなると研究者同士の心理戦となります。このような落とし穴にハマってくれるのもサンクスギビングあたりの年末シーズンが多いと踏んでいました。

    葉っぱに葉っぱの縁取り