むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 暑すぎてセミがいない

    今日の天気予報では最高気温37度とか38度と言っていましたが、実際には35度くらいだったでしょうか。暑いは暑いけどいつもくらいでした。しかし、じりじりとした日差しで昼間外はまともに生活できる温度ではありません。いつもならツクツクホウシの季節ですが、まったくセミの声もせずシーンとした昼でした。セミで思い出しましたが、セミの抜け殻は蝉退という漢方薬です。先日アトピーの患者さんが来て、生薬で自分にあう漢方を処方してほしいと言われました。通常漢方はエキス製剤と言って工場でレシピ通り煮出したものをフリーズドライで顆粒にしたもので、いわばインスタントコーヒーみたいなものです。一方、生薬でと言われたら、コーヒーで言うなら豆そのものです。その人に適したブレンドに配合して、豆のままお渡しする、みたいなのが生薬による処方です。

    そのアトピー患者さんには、エキスでも結構効くのでまずはエキスから飲んでみませんか、というのですが、生薬がほしいと言われます。仕方ないのでその人向けに調合するわけですが、かゆみを取るために蝉退を入れます。持って帰ってびっくりしたかもしれません。何しろ、ブレンドした生薬の中にセミの抜け殻が入っているのですから・・・。飲んでくれたでしょうか。

    日本製の漢方には殆どありませんが、中国には動物生薬が結構あります。鹿の角(鹿茸)とか牛の胆石(牛黄)、亀の甲羅(亀板)などは有名です。他にもゴキブリとかサソリ、ミミズ(地龍)なども漢方薬になります。もちろん薬用として清潔に育てたものですが、気持ち悪いですね。何も知らずに中国製の漢方薬を買ってくると、そういうのが入っている場合があります。もちろん害がないばかりか、植物の生薬にはない優れた薬効が期待できるのですが、勇気を持って飲むかどうかです。いや、もう気づかずに飲んでいるかもしれませんね。