むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夜は1日の中で良かったことを振り返る

    不眠の患者さんがよく来られます。理由もなく眠れないという人も多いのですが、なかには仕事や家庭での嫌なことを思い出して考え始めると眠れなくなる、という人が結構います。寝るときにその日を振り返るのは悪くないですが、嫌なことを思い出してしまうのはどうかと思います。できることなら、その日にあったいいことを1つでも2つでも思い出して、今日はいい一日だったと思いながら眠りたいものです。(それができるなら病院に来ないよ、という意見はごもっともですが・・)

    そういう私の今日のハッピーな出来事。実はうちの近くによくコウモリが飛んでいるな−と思っていたのですが、なんと自宅の軒下にコウモリの巣があったのです。もしかしてコウモリがいるかもと思ったのは3年ほど前なのですが、コウモリは夜行性なのでなかなかうちのどのあたりにいるのかがわかりませんでした。先月のある朝5時頃新聞を取りに玄関先に出た際に懐中電灯で自宅周りを見て回ったところ、コウモリが何匹も飛んできてさっと軒下に入っていったのを目撃したのです!あった、ここに巣があった、と確信したので早速駆除業者に依頼して今日やっと駆除完了となったのです。更に大工さんにまた入ってこないように隙間をふさぐ加工までしてもらったので、ホッとしました。

    話は変わりますが、このところ仕事がものすごく忙しく過労気味だったので、土曜日はいつもならジムで汗を流す予定だったのですが、気分転換に街で見つけたメキシコ料理屋さんに食べに行きました。ここに行くのは今回が2回め。ちょうど前回座ったのと同じカウンター席が空いていたのでそこに座ると、まもなく前と同じアメリカ人が何分か遅れて隣に座り、前回と同じワカモレ(アボカド)ディップにナッチョス(コーンのチップス)を食べ始め、デジャブ!話しかけたら全く日本語ができない。テキサス州サンアントニオから英語教師でやってきたという。歳も1つ違いでした。私もテキサス州ガルベストンに留学したのでサンアントニオには何度も遊びに行きました。二人でテキサスの話をしながらたべたメキシカンは美味しかったです。

  • 痛風の治療:尿酸を下げる

    当院は訪問診療で老人ホームなどに100名近い契約患者さんがいます。この季節はインフルエンザワクチンを打っていますが、訪問診療の患者さんにも各お部屋に訪問しながらワクチン接種を行いました。今日で一通りみんなに注射が終わりました。通常訪問診療は私とナース1名で回るのですが、ワクチン接種のためこのところ3人体制で回りました。ぶじ全部終わってよかったです。インフルエンザワクチンはコロナワクチンと違って歴史も古く、副作用の程度もわかっているので気が楽です。アナフィラキシーなど起こす人はまずありません。コロナもインフルエンザみたいに安全なワクチンが早くできたらいいのですが、難しいのだろうと思います。現在KMバイオ(もと化血研)がインフルエンザと同じ方法でコロナの不活化ワクチンを作っていますが、まだ認可がおりていません。どうなるのでしょうか。

    さて、当院は痛風の治療を得意としているため、方々から患者さんが集まってきます。痛風は足の親指の付け根が歩けないくらい腫れて痛む事が多いのですが、人によっては足首の関節だったり、膝などにも痛みが来ることがあります。痛風の原因は高尿酸血症です。検診で尿酸が高いと言われた人は多いのではないかと思います。高尿酸血症から痛風発作を起こすのは尿酸高値を長年放置した結果です。蓄積した尿酸が関節内で炎症を起こすのだと言われています。そこで、痛風治療はまず関節の炎症をしっかり取り、痛みが出なくなるまで治療します。その後、尿酸が正常範囲以下になるよう下げていきます。血液中の尿酸濃度がかなり下がらないと組織に沈着した尿酸まではぬけないと予想されるため、尿酸値7(正常上限)付近で納得するのではなく、6以下までは下げたほうがいいみたいです。

    尿酸が上がる仕組みには2パタンあります。一つは尿酸の合成が盛んなもの。尿酸の材料となるプリン体を取りすぎると上がります。明太、数の子、ビールなどを避けましょう。次に、尿酸排泄遅延のパタン。これは日本人の6割はその遺伝子を持っていると言われており、尿酸を溜め込む体質があるのです。これから忘年会シーズン、お酒が増えると痛風になる人も増えてきます。飲み過ぎには注意しましょう。

  • 年末年始のお休みについて

    クリニックの待合に新しい本を並べました。この前読んだ本と同じ著者で姫野友美先生著「認知症になりたくなければラーメンをやめなさい」というタイトルです。ちょっとキャッチーな感じですが、前から私も取り組んでいる分子栄養学の実践の話です。実際にはラーメンだけが悪者ではなく、小麦製品に気をつけようというお話です。炭水化物のとりすぎに注意という分子栄養学の基本の話に加えて、最近の小麦は品種改良されており、グルテンを非常に多く含むようです。グルテンはアレルギー源であり、さらにはリーキーガットの悪役です。リーキーガットというのは腸の粘膜の細胞間にあるタイトジャンクションというつなぎ目をもろくして腸管のバリア機能が破壊されるというものです。ラーメンばかりでなく、パンやパスタ、うどん、その他お好み焼きなどの粉もの全般にも注意が必要です。

    米粉をつかったビーフン、ベトナム料理のフォー、そばなどは比較的大丈夫。しかし、天ぷらそばになると天ぷらの衣に小麦が使われているので注意、だそうです。その他、果物の甘味成分の果糖、あるいはトウモロコシデンプンを加水分解して作ったブドウ糖果糖エキスを大量に入れてある清涼飲料水なども悪玉です。認知症のリスクになります。詳しくは当院待合に本をおいておきますので御覧ください。

    さて、年末が近づいてきましたが、ここでお知らせです。今年は正月が日曜スタートのため、年末年始と週末が重なります。レセプト業務も正月休み中に終わらせないと間に合わないため、12月29日は午前中のみ診療とし、御用納めとします。12月29日の午後から1月3日までを年末年始のお休みとさせていただきたいと思います。よろしくおねがいします。

     

  • ルーチンワークのメリット・デメリット

    晴れの天気が続くので毎日徒歩通勤しています。先日クリニック近くを歩いていたら前を犬の散歩しながら歩いている人がいました。その人が路地に入っていったのですが、しばらくしたらクリニック近くの裏道から出てきました。なるほど、あの路地はクリニックへの近道だったんだ、と気づきました。私はいつも高校生の自転車がバンバン通る細い道を歩いていましたが、自転車と車の間を歩くのは危ないな−と思っていました。今回、犬の散歩のおじさんに裏道の存在を気づかせてもらってよかったです。

    実はその道があるのは往診で通ったことがあり知っていたのですが、自分の通勤路としてそっちを通るという発想がありませんでした。習慣というのは恐ろしいもので、無意識に行動するため新しいものへのチャレンジがなくなってしまいます。今日はその裏道を通ってみたら、自転車は来ないし、車も少なく私のようにいつもYouTubeを聞きながら歩くには安全この上ない。しかも全然遠回りでない。今までなぜこっちを通らなかったんだろう。世の中こんな事が多いのではないかと思います。

    なれたルーチンは失敗が少なく、危険な箇所などもわかっているので安全に過ごせます。一方、毎回違ったことや新しいことにチャレンジすると、発見が多い代わりに予期せぬ失敗もありえるし、どこに危険な箇所があるかもわからないため常に気を張っていないといけません。どちらも一長一短あるのですが、ルーチンに凝り固まることなくたまには柔軟にルート変更するのもいいものだと実感しました。

  • 在宅酸素について

    熊本は夏と冬しかないと言われていますが、今年は案外快適な秋が長いですね。朝晩は冷えますが日中は暖かく気持ちいい日々が続きます。そういえば、九品寺の元熊本整形があったところに春夏秋冬ならぬ春夏冬というマージャン屋さんがありました。なぜ「秋」がないんだろうと思っていたのですが、きっと「飽きない」の意味だと思います。違っていたらすいません。

    昨日は睡眠時無呼吸の検査の話を書きましたが、呼吸器系の話題つながりで、今日は在宅酸素について書いてみたいと思います。在宅酸素は、慢性肺疾患やガン末期、あるいは慢性心不全などの病気で通常の空気での呼吸では酸素飽和度が上がらず苦しくなる場合、ご家庭に酸素濃縮器を設置することで酸素を使うことができるものです。通常、リビングや寝室に酸素濃縮器をおいて、酸素マスクやカヌラ(チューブを鼻に当てるもの)を使います。患者さんによっては長いチューブを取り付けて家の中(トイレやお風呂など)どこでも移動できるようにしている場合もあります。また、外出時には酸素濃縮器の代わりに酸素ボンベを転がして持ち運ぶのが一般的ですが、最近はバッテリー駆動の小さな酸素濃縮器を持ち運べるようになりました。技術の進歩のおかげです。

    在宅酸素を設置するには病状に一定の条件がありますが、条件を満たせば保険が効きます。濃縮機を購入するわけではなく、リースみたいなものです。当院で使用条件などを処方しますので、リーズ代は月々当院受診時にまとめてお支払いいただき、当院から取りまとめて酸素業者に振り込む形となっています。