むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方処方の時に考えること

    オンライン診療の準備をしていると、ちょうどいいタイミングで「オンライン診療のはじめ方」というWEBセミナーがありました。メドピアという医療専門のWEB情報の会社の主催で、信用できそうだったので申し込んでみました。診療後帰宅してセミナーが始まりました。先程セミナーが終わりましたが、とても勉強になりました。やっぱり、厚労省のe-ラーニングだけでわかったようでも、それを実務に落とし込むといろんなチェックポイントが明らかになります。おそらく、厚生局から許可が出るまで1ヶ月以上かかるので、その間にいろんな準備をしようと思います。

    こうは書いていますが、今後オンライン診療をどんどんするわけではありません。県外などに住んでいてどうしても私の診察を受けたいという人向けです。漢方専門外来とコロナ後遺症外来が中心になると思います。忙しいから来院できない血圧患者さんなどはいずれ対象とするかもしれませんが、今のところそれをするとマンパワー的に対応できなくなるので、疾患を絞って実践します。コロナはだいぶ落ち着いていますが、いつかからないとも限りません。もし隔離期間中に薬が切れそうだという場合もオンライン診療の対象とするつもりです。

    私が漢方を処方するとき、漢方独特の脈診とか舌診という方法を使いますが、もう一つ不思議な技を使っています。それは、説明するのが難しいのですが、隣に座ってもらった患者さんと病状や病歴について話しているうちにだんだん、私と患者さんの波動が同期してくるような感覚で、患者さんのどこがどんなふうに辛いのかまるで自分の体のように感じられるのです。その感覚が得られた瞬間処方が決まります。いつもその域まで達するわけではないのですが、患者さんが自分のことを手にとるようにきちんと表現されればうまくいく確率が高くなります。逆に、何がどう困っているのか教えてくれないと、ピンとこないので処方にも迷いが生じます。この感覚がオンラインでも得られるのかが私としては心配です。