むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ニトロの使いかた

    私は、小さい車が好きです。実はこれまで、大きなSUVに乗っていました。乗り心地は良かったのですが、クリニック近くの狭い道を通るには運転に気を使うし、燃費も悪かったので、最近小さい車に乗り換えました。小さい車は取り回しも良いし、燃費も今までの2倍以上いいし、買い替えてよかったと思っています。ところで、運転席のスピードメーターですが、これまでのSUVはメーターがいくつもついていて結局どれも見ていない状況でした。しかし、今度の小さな車は基本スピードメータだけが真ん中にあり、その他の情報は殆どありません。結果、運転中にスピードを確認することができるようになりました。似たことは腕時計にもあります。クロノグラフというタイプの腕時計は文字盤の中にさらに小さな針が3つくらいついていて複雑です。よーく見ればそれぞれの文字盤から情報を得られるのですが、わかりにくいため飾りとしか思えません。現在の時間さえ、いろんなものがありすぎて読みにくくなっています。目的を搾ったシンプルなものが最も機能的です。

    さて、今日は、最近良く見る狭心症について解説したいと思います。狭心症といえば、お年寄りが坂道などで胸を抑える発作を思い浮かべるかもしれません。これは典型的な労作性狭心症です。心臓を取り巻く冠動脈の動脈硬化が原因です。症状がひどくなれば、カテーテル治療で狭いところを拡げる場合があります。一方、年令に関係なく若い世代でも、そして安静時に胸が締め付けられるのは冠攣縮性狭心症といいます。夜寝ていて朝早く胸痛で目が覚めることが多い疾患です。自律神経影響で動脈硬化とは関係なく血管が縮むことで狭心症が出ます。

    このような狭心症が疑われるときには、ニトロペンという発作時に頓服する薬がよく使われます。胸が締め付けられたような感じや、喉や歯茎などに違和感が出たらためらわずに一錠口に入れます。水で飲んだりせず、舌の下にいれて飴みたいになめて溶かします。すると、薬剤は舌下静脈から吸収されて即効します。たまに2錠目を使わないと落ち着かないこともありますが、効かないときに何錠も際限なく使うのではなく、2回使って改善しない場合、速やかに救急病院を受診してください。

  • 甲状腺の精密検査

    残暑厳しいですね。思い返すとこの夏は長雨で日照不足でした。涼しくてこれで夏は終わりかと思っていましたが、自然というのはよくできたもので、一年の帳尻が合うように、いまごろになってガンガン日が差して日照不足の埋め合わせをしているようです。おかげで、生育が心配された稲穂もしっかりと育って収穫の時期を迎えようとしています。さて、話は変わりますが、新型コロナは中国の武漢から端を発して全世界に生活様式を変えるほどの影響を与えました。今、中国に目を向けると、突如として電力不足が話題となり、計画停電を来年まで続けると言っています。これは決して対岸の火事ではなく、世界に飛び火すると思われます。こういう騒ぎにはテーマがあり、目的があります。コロナの場合は人々の移動の制限、マイナンバーなどを利用したワクチンパスポート的な国による管理システムの導入などです。今回の停電は当然エネルギー改革です。すでに世の中はSDGsといって「持続可能な開発目標」と言われていますが、貧困をなくそうとか平和とか言う綺麗事の中に、ちゃっかりクリーンエネルギーのことを書いています。これが本命。そして、昨今普及してきた5G技術を使ったデジタル革命(DX:デジタルトランスフォーメーション)もその一環です。

    結局、今度は世界中で石炭がない、電力が作れない、停電する、という恐怖感を与え、太陽光発電、風力発電などに更に力を入れるべく、世論操作をしていく計画だろうと考えられます。資源を持つ国、クリーンエネルギーを作れる国などが生き残り、それ以外はふるい落とされます。コロナと同じように、私達の生活がガラッと変わるレベルの大変革が来るようです。ものがないといえば、最近医薬品がどんどん枯渇して、1000品目以上が市場から消えたり出荷制限で手に入りません。一部の血圧の薬も止血剤も骨粗鬆症の薬も手に入らなくなりました。内科医は薬がないと治療できません。困った時代です。

    さて、今日は甲状腺の話を書きます。検診で首のあたりを触って、甲状腺が大きいかもしれないので精密検査を受けましょう、と言われることはしばしばあります。当院ではそのような場合、まずエコーでサイズを確認します。そして、甲状腺内部に腫瘍や嚢胞などがないかをチェックします。実際に腫大しているようなら、橋本病とかバセドウ病など鑑別を考えながら採血で甲状腺ホルモンや自己抗体などを測り、診断をつけます。悪性が疑われるときは日赤や市民病院に紹介しています。

    アミュプラザ熊本

  • 背中に裂けるような痛みがはしったら

    日曜は休日当番医で仕事でした。クリニックを朝から開けていましたが、最近は風邪の患者さんも少なく、夕方までで10名ほどしか来院もなく、のんびりした仕事でした。しかし、その合間に月初め恒例のレセプトチェックがあり、いっきに700枚ほど見ました。いつもだと1週間位かかるのが今月は3日ですみました。疲れました。こういう単純なペーパーワークはやっているうちに眠くなるので、途中で部屋の掃除機をかけたり、K-ポップの音楽を元気よく鳴らしながら眠くならないように仕事します。それでも退屈するときは、Netflixでドラマを見ながらするのですが、海外ドラマは字幕を見ないとわからないので作業効率が落ちます。それでも、淡々とこなすことができたので夕方までに全部終わらせることができました。途中、漢方のWEB講演会もあったのでZOOMで参加しました。充実した当番医の一日でした。

    今日は、大動脈解離についてかいておこうと思います。大動脈は心臓から出た大血管が背中(やや左)を通って臍のあたりまで下行し、左右の足に分かれていきます。この大きな血管を大動脈と言うのですが、血管がもろかったり血圧が高いことで血管壁に裂け目が入ることがあります。引き裂かれたような強い痛みが背中側に走ります。完全に破れてしまうと大動脈破裂と言って、即死ですが、血液が血管外にもれないような裂け方をすることがおおく、命は助かりますが、緊急を要する状態になることが多い疾患です。

    横隔膜より上(胸腔内)で裂ける場合と、横隔膜より下(腹腔内)で裂ける場合と、その両方で広範囲に裂ける場合がります。エコーを使うと腹部の解離はすぐに診断が付きますが、胸腔内は肺の空気が邪魔してエコーが大動脈に届かないため、エコーでの診断は難しくなります。このような場合、造影剤を点滴しながらのCT撮影が確定診断に用いられます。このような専門的な話はともかく、背中になにかが裂けるような激痛がはしったときは大動脈解離の可能性があるので、 CT撮影ががとれる大きめの救急病院の受診をおすすめします。

    熊本駅AMUプラザ やっと見ることが出来ました。夜だったので中には入っていません。

  • 草とり、落ち葉の清掃は大仕事

    やっとマンボウが終了しました。飲食店は1ヶ月にも及ぶ規制で大変だったと思います。これからしばらくは、今までの分を取り戻す勢いで頑張りましょう。私がよく行く韓国料理の店主は、長すぎる休みで働き方を忘れたよ、厨房でずっと立ってるのがきつい。キムチは発酵しすぎて酸っぱくなったから出せないよ、といわれてました。確かに食材はイチから揃えないといけないでしょうし、筋肉も落ちてしまったのではないでしょうか。皆さん、心機一転頑張りましょう。

    それにしても、10月に入ったとはいえ日中は30度を超える暑さ、残暑厳しいですね。土曜の午後は、植木屋さん(同級生)がクリニックの植え込みの消毒に来てくれました。例年より気温が高いので、冬が来る前にもう一度くらいしたほうがいいようだとのことでした。植木の消毒さることながら、雑草が茂ってしまって大変です。このところ忙しくて全然草取りする暇がありません。今日は植木屋さんの友人になんとかならないか相談しました。来てくれそうなので本当に助かりました。

    雑草も困っていますが、クリニック前の街路樹がこれから冬にかけて葉が落ちます。毎朝ほうきを持って清掃していますが、大変です。植木屋さんがよく使うブロワーという機械があります。落ち葉を吹き飛ばす道具です。広い公園や観光地などで見かけますが、多くはエンジンを背中に担いですごい音を立てながら落ち葉を飛ばしています。最近、電動のブロワーが売ってあるのを見かけます。電動ならエンジンほどうるさくないでしょうから欲しいなーと思っているところです。

  • 脈が飛ぶとき

    脈が飛ぶと言う訴えで来院される患者さんが毎日のようにあります。脈が飛ぶというのは不整脈の一種で、期外収縮の可能性が高いですが、期外収縮には上室性と心室性の2パタンあります。また、心房細動という別の不整脈でも、脈が飛んだと表現される場合があります。いずれにしても、診断を確定するのは心電図をとって、異常を確認する必要があります。しかし、病院にきたらさっきまで飛んでいた脈が落ち着いた、ということはよくあります。そのような場合、心電図の電極を10分ぐらいつけっぱなしにしてじっと脈が飛ぶのを待ちます。それでも証拠が取れなかった場合、24時間心電図(ホルター)の検査をおすすめします。ホルターは小さな心電計を体に貼り付けて丸一日心電図を記録する検査です。仕事、運動など普通にできますが、お風呂はシャワー程度にしていただくようお願いしています。

    こういった検査で期外収縮と診断された場合、たいていは治療の必要がない軽症のことが多いのですが、あまりに自覚症状が強くて不快な場合は薬で不整脈を減らすことができます。まれに、期外収縮が連発する場合があり、そのような場合はカテーテルアブレーションと言って内科的な手術で根本的に治療する場合もあります。この治療が必要な場合、日赤や済生会に紹介しています。

    期外収縮は小中学生の心臓検診でもしばしば見られます。特にこれと言った原因が見つからないことが多いですが、念の為心エコーで弁膜症などがないかを確認します。運動をしたときに脈が飛ぶ回数が増えるのはあまり良くないのですが、多くの場合運動をすると脈は飛ばなくなるので、その場合は安全に運動できます。ストレスや睡眠不足、過労などで悪化します。また、コーヒーなどのカフェインを大量に取ると出やすくなります。