むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 偽痛風

    偽痛風と言う疾患があります。痛風のニセモノです。痛風のように関節が熱をもったように腫れて傷みますが、採血してみると尿酸は高くないのであれれ?と言う感じになります。痛風は足の親指の付け根が腫れることが多く、他に足背や足首あたりが多いですが、偽痛風の場合、膝や股関節など比較的大関節に炎症を起こします。偽痛風は尿酸では無くピロリン酸という結晶が悪さをしているそうですが、血液中で検査できず、膝などに溜まった水を抜いて顕微鏡で確認するとピロリン酸の結晶が見つかるそうです。

    膝などの関節が腫れて痛いというと、整形外科に行くことが多いと思います。そこで、レントゲンやMRIをとっても変形がたいしたことないとか、軟骨が減っているけどそれほどひどくないと言われた場合、実は痛風や偽痛風の可能性があるので、内科受診を勧められます。治療に関しては、痛風と偽痛風はたいして変わらず、炎症をとるための薬と痛みを取る薬を組み合わせて使います。薬が効けば数日で痛みは取れますが、その後経過を見ながら薬を徐々に切っていきます。

    漢方では、関節の痛みは熱を持っている場合と持っていない場合で治療の方法が変わります。熱症の場合、越婢加朮湯、熱を持たない場合麻杏薏甘湯を使います。痛風はビールなどにお酒の飲み過ぎや焼肉などタンパク質のとり過ぎ、明太の子やカズノコのような魚卵系珍味の食べ過ぎで起こると言われていますが、偽痛風は食事とは関係ないようです。