むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 背中に裂けるような痛みがはしったら

    日曜は休日当番医で仕事でした。クリニックを朝から開けていましたが、最近は風邪の患者さんも少なく、夕方までで10名ほどしか来院もなく、のんびりした仕事でした。しかし、その合間に月初め恒例のレセプトチェックがあり、いっきに700枚ほど見ました。いつもだと1週間位かかるのが今月は3日ですみました。疲れました。こういう単純なペーパーワークはやっているうちに眠くなるので、途中で部屋の掃除機をかけたり、K-ポップの音楽を元気よく鳴らしながら眠くならないように仕事します。それでも退屈するときは、Netflixでドラマを見ながらするのですが、海外ドラマは字幕を見ないとわからないので作業効率が落ちます。それでも、淡々とこなすことができたので夕方までに全部終わらせることができました。途中、漢方のWEB講演会もあったのでZOOMで参加しました。充実した当番医の一日でした。

    今日は、大動脈解離についてかいておこうと思います。大動脈は心臓から出た大血管が背中(やや左)を通って臍のあたりまで下行し、左右の足に分かれていきます。この大きな血管を大動脈と言うのですが、血管がもろかったり血圧が高いことで血管壁に裂け目が入ることがあります。引き裂かれたような強い痛みが背中側に走ります。完全に破れてしまうと大動脈破裂と言って、即死ですが、血液が血管外にもれないような裂け方をすることがおおく、命は助かりますが、緊急を要する状態になることが多い疾患です。

    横隔膜より上(胸腔内)で裂ける場合と、横隔膜より下(腹腔内)で裂ける場合と、その両方で広範囲に裂ける場合がります。エコーを使うと腹部の解離はすぐに診断が付きますが、胸腔内は肺の空気が邪魔してエコーが大動脈に届かないため、エコーでの診断は難しくなります。このような場合、造影剤を点滴しながらのCT撮影が確定診断に用いられます。このような専門的な話はともかく、背中になにかが裂けるような激痛がはしったときは大動脈解離の可能性があるので、 CT撮影ががとれる大きめの救急病院の受診をおすすめします。

    熊本駅AMUプラザ やっと見ることが出来ました。夜だったので中には入っていません。