むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 脈が飛ぶとき

    脈が飛ぶと言う訴えで来院される患者さんが毎日のようにあります。脈が飛ぶというのは不整脈の一種で、期外収縮の可能性が高いですが、期外収縮には上室性と心室性の2パタンあります。また、心房細動という別の不整脈でも、脈が飛んだと表現される場合があります。いずれにしても、診断を確定するのは心電図をとって、異常を確認する必要があります。しかし、病院にきたらさっきまで飛んでいた脈が落ち着いた、ということはよくあります。そのような場合、心電図の電極を10分ぐらいつけっぱなしにしてじっと脈が飛ぶのを待ちます。それでも証拠が取れなかった場合、24時間心電図(ホルター)の検査をおすすめします。ホルターは小さな心電計を体に貼り付けて丸一日心電図を記録する検査です。仕事、運動など普通にできますが、お風呂はシャワー程度にしていただくようお願いしています。

    こういった検査で期外収縮と診断された場合、たいていは治療の必要がない軽症のことが多いのですが、あまりに自覚症状が強くて不快な場合は薬で不整脈を減らすことができます。まれに、期外収縮が連発する場合があり、そのような場合はカテーテルアブレーションと言って内科的な手術で根本的に治療する場合もあります。この治療が必要な場合、日赤や済生会に紹介しています。

    期外収縮は小中学生の心臓検診でもしばしば見られます。特にこれと言った原因が見つからないことが多いですが、念の為心エコーで弁膜症などがないかを確認します。運動をしたときに脈が飛ぶ回数が増えるのはあまり良くないのですが、多くの場合運動をすると脈は飛ばなくなるので、その場合は安全に運動できます。ストレスや睡眠不足、過労などで悪化します。また、コーヒーなどのカフェインを大量に取ると出やすくなります。