むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • マルチタスク環境にAndroidタブレット最高!

    週末ごとに雨が降るので困りますね。私は日曜にクリニックのワックス清掃が入ったので、結局何もできずにクリニック内で過ごしました。ちょうど月初めでレセプトのチェックの時期だったので、これははかどりました。部屋に缶詰になって作業をしていると、無性になにか食べたくなりますが、持っていった昼ごはん以外は食べずに頑張りました。ちょっと食べると、その分のカロリーを運動で燃やそうなんて無理です。もしショートケーキ1つ食べれば、10キロ走ってもまだ足りないかもしれません。私は、1ヶ月ほど前からダイエットしようと決め、今のところ3キロほど痩せました。やはり大事なのは、やろうという気持ちを固めることと、目標設定することです。それなしに、自然とうまくいくなんてことはありません。これは、ダイエットに限らず、全てに共通して言えることだと思います。

    さいわい、このところ週末以外は雨も少ないので、可能な限り歩いて通勤しています。本当は風の音や小鳥のさえずりを聞きながら歩くのが好きなのですが、片道30分、往復1時間ありますから、時間を無駄にしないよう、YouTubeを聞きながら歩きます。その日の気分で、経済ニュースだったり、中国語講座だったり、健康の話題などいろいろ聞きます。考えてみると、私の自由時間はほとんどながら作業(マルチタスク)です。ご飯を食べるときはメールのチェックや新聞を読む。お風呂に入るときはYouTubeをみる。唯一、仕事のときはシングルタスクで目の前の患者さんに集中しています。それでも、待合の混み具合とか、ロビーで流れているBGMの具合とか、テレビの音量とか、受付に来た患者さんが今日はいつもと違う症状で来たとか話していることは、診察中でもだいたい把握できています。

    このような私のマルチタスクのながら生活を支えてくれる武器となっているのが、iPadです。自宅にはiPadを2つ持っています。その他にMacBookAir(ラップトップ)とMicrisoftSurface(Windowsタブレット)も持っていますが、立ち上げるのに数秒かかり、みたいときにすぐ見れないのでよほど作業に必要なときしかこれらには手がのびません。そして、最近試しに買った中華製格安アンドロイドTabは相当いいです。iPadの半額以下なので、安いアンドロイドTabを2つ並べて作業すると、理想的なマルチタスク環境が実現します。

  • 青龍とは東の神様

    県庁の前を散歩したら、いちょう並木が新緑に輝いていました。黄金に色づく秋もいいですが、青々とした春もきれいですね。青々という言葉で思い出したのですが、日本語は緑のことを青と言うことがあります。信号も青といいますが緑に近い色合いです。これはどこから来たかというと、「蒼(あおい)」という言葉です。蒼は草かんむりですから草木が青々と輝くさまを蒼と表現したわけです。したがって、日本語の色彩感覚がおかしいのではなく、もともとそういう表現があったというふうに理解しないといけないのです。

    漢方で、陰陽五行という理論がありますが春の方角は東。色は青、臓は肝。腑は胆。味は酸、と決まっています。角界に朝青龍という力士がいましたが、朝の方角は東、色は青という五行の理屈をそのままネーミングしたものです。花粉症に効く小青龍湯も朝青龍と同じ青龍の文字が入っています。青龍は東の神様のことです。蒼龍とも言います。そして小青竜湯はかなり酸っぱいので五味も東の味=酸味に一致します。おもしろいですね。

    このところ、黄砂の影響と思われますが、喘息患者さんが増えています。そういう私も昨日から深呼吸すると胸がヒューヒューなって息切れしたり咳が出たりします。喘息になったのは去年からです。私の場合、シングレア(モンテルカスト)を1錠飲めば一日快適に過ごせます。漢方では小青竜湯や五虎湯、あるいは麻杏甘石湯が良いと思われます。

    熊本県庁

  • いろいろな種類の汗と治療法

    暑くなりましたね。診察室は今シーズン初めてクーラーを入れました。患者さんはまだ厚着の方もいらっしゃいますが、私は半袖白衣です。難しい症例を考えると頭がオーバーヒートしそうになります。頭を涼しく冷やしたほうがいいのはパソコンのCPUと同じです。こう暑いと汗が出ますが、汗にもいろいろあります。暑くて出るのは当たり前ですが、緊張して手や頭から滝のように汗が出る人がいます。多汗症といわれる状態です。恥ずかしくて握手できないとか、顔を流れる汗を拭き取るハンカチが手放せないといわれます。もう一つ困るのはワキ汗。洋服の素材によっては汗で色が変わり目立ってしまう。これは、これまで美容整形でボトックスの注射をして汗を止める方法がありましたが、最近新しい塗り薬が発売されました。保険適応です。塗ることで局所的に発汗に関する神経伝達物質のアセチルコリンをブロックし、発汗を抑えます。面白い薬ですが、また当院では使ったことはありません。

    多汗症は、漢方治療を希望して来られる場合も多いので、わりと治療しています。漢方が効けばいいのですが、100%有効ということはありませんので、やはり抗コリン剤も使います。抗コリン剤の内服は汗は止まるのですが、体に熱がこもったようになることがあり、結果的には使えない場合もあります。逆に、発汗が少ない人で熱中症になりやすいということで漢方を希望される方もいます。その場合、汗を出す治療というより、漢方で体を冷ましてあげる治療をします。これは、更年期でほてって仕方ないという場合の治療法にもにた感じの処方となります。

    寝汗というのもあります。寝汗は普通の暑くて出る汗とも緊張して出る汗とも異なります。多くの場合、体力を消耗したような虚弱体質で寝汗が出ます。体表の汗腺(毛穴)をギュッと締めておくには気のパワーを必要とします。その気が不足すると毛穴が開き、汗が漏れてしまうと考えるのです。したがって、寝汗の場合は気を補う治療をします。このようにひとことに汗といってもその背景によって適切な治療法を考えるのも漢方の面白いところです。

  • 邪気と正気の戦いについて

    雨はふらずいい天気なのですが、黄砂で霞んでいます。今日は風も強いので桜吹雪でした。犬の散歩をしていると、ホコリが目に入ります。ところで風邪は「ふうじゃ」とかいて「かぜ」と読みます。風のように突然吹いてきて体に影響するという意味です。脳卒中のことを中風(ちゅうぶ)と昔呼んでいました。中という字は「当たる」という意味です。的中(てきちゅう:的に当たる)という字があるのでわかると思います。したがって、中風というのは突然手足が麻痺する脳卒中の病態を風に当たったようだと表現したわけです。

    邪(じゃ)というのは風だけではありません。漢方の理論には、病因論というセクションがあります。そこには、病気の原因は内因と外因の2つに分けられると書いてあります。内因は生活習慣病、ストレスなど内的な問題です。一方、外因としては、風寒燥湿暑火という6つの要因が挙げられています。つまり、風邪(ふうじゃ)だけでなく、寒の邪もあるし暑の邪もあるということです。私が漢方の診察をする際にはこういったどのような病因(邪)が悪さをしているかを考え、治療方針を決定します。

    漢方の理論では、邪だけで病気になるとは考えません。邪正闘争というのですが、邪に対して体には正気というものがあり、免疫力や抵抗力の意味です。つまり、病気になるかどうかは「正気」と「邪気」の戦い(闘争)の結果、正気が邪に負けると病気になるわけです。今話題の新型コロナも「邪」なのですが、発症する人の割合は少ないので弱い邪です。体力さえしっかりしていれば邪にさらされても発症しないというわけです。したがって邪を怖がるひまがあれば、正気を高める努力をしましょう(正しい栄養、十分な睡眠、ストレスを避ける、が大切)。

  • 草取りは種が飛ぶ前に済ますべし

    以前も書きましたが、最近は犬の散歩はジョギングするようにしています。犬の速さに合わせるので、歩くような速さだし、電柱のたびに立ち止まるので、たいした運動にはなっていません。それでも、歩くよりは心拍数も上がり、カロリー消費しているのは間違いありません。毎週、訪問診療でエレベータのないアパートの4階まで階段を登るのですが、今まではお宅についてからハーハーなっていましたが、ジョギングするようになって、全然息切れしなくなりました。あんなにのんびりしたスロージョギングでも、心肺機能にいい影響があるようです。

    クリニックの駐車場には植木の植え込みがあるのですが、あっという間に草だらけです。朝6時過ぎから草取りをはじめましたが、30分もとると30Lのビニールに2つ3つ取れます。腕が疲れて、これ以上頑張ると診療にさしつかえると思い、途中でやめました。昨日今日の2日連続で全体の半分近くは取れました。あと2日あれば全部いけますが、相当な労力です。マメ科の草みたいで、おそらく去年草取りしたタイミングがおそすぎて豆みたいな種が草取りの最中飛び散ったみたいで、同じ草があたり一面大量に生えてしまったのです。今年は種が飛ぶ前に頑張って全部取ります!

    病気も同じだと思います。早めに取ればきれいに治りますが、ある一点を超えてしまうと、取ろうとしたときに悪い種をばらまいてしまって、かえって最悪の結果を招きます。去年はコロナで受診控えが多かったですが、イギリスの研究で、乳がん検診(マンモ)を1−2年サボると乳がん死亡率が有意に増加するという結果が得られたそうです。早めに見つけて処理することの大切さは草取りも検診も同じです。

    クリニック前の公園。桜をバックにツツジが満開です